アイアン・メイデン(Iron Maiden)の
ブルース・ディッキンソン(Bruce Dickinson)はかつて、観客が一人しかいないコンサートを行ったことがあります。最近出演したポッドキャスト『Talk Is Jericho』のインタビューの中で、ディッキンソンはこの経験について語っています。
アイアン・メイデンの初期の頃、難しい観客への対応についてどうしていたかと尋ねられたディッキンソは、こう話しています。
「俺はそいつらを侮辱するか、友達になろうとするか、どちらかだろうね、とても奇妙な方法だけど。
大学でバンドを組んでいた時、1回だけ、あるショーをしたことがある。昔はディスコと呼ばれていた。でも、そこには誰もいなかった。まるで幻のディスコで、ミラーボールやライトがあって、ステージもあった。
そこには誰も、誰もいなかったんだ。でも、俺らは50ドルくらいもらって演奏していた。
そうしたら、ドアが開いたんだ。そして一人入ってきた。実際にステージに立っている人がいることに少しショックを受けたようだった。そして彼は椅子を持ってきて、ダンスフロアの真ん中に置いて、その椅子に座ったんだ。
俺は“すごい!”と思ってステージから降りて、マイクを持って彼のところに行った。“お名前は?”と聞くと、彼は自分の名前を名乗った。
俺は“ビールをおごらせてよ。だって、君のためだけにパフォーマンスをしようとしているわけだからね。俺ができることは、君にビールをおごることくらいなんだ。嫌がるかもしれないけどが、俺の言いたいことはわかるだろう?”と言った。
その後、俺たちはリラックスして、演奏を続けた。俺たちのことを知らない一人の観客がいたけど、とても楽しい時間を過ごすことができたよ。誰も気にしないし、誰も知らない。でも、俺たちは素晴らしい時間を過ごした。
悪い状況に陥ったとしても、そこには必ず道があると考えなければならない。既成概念にとらわれずに考えればいいんだ。
俺が最も嫌いなのは、明らかにトイレのような場所で、ステージの片隅にビール箱を2つ置いてバンドが演奏すること。バンドはそこで演奏し、マディソン・スクエア・ガーデンにいるかのように振る舞っているんだよ。
“ハロー、クリーブランド!”と言っていたら、僕はただ“いや、クリーブランドじゃないよ、君はビール箱が2つあるトイレにいるんだ”と言うだけだ。もし“俺たちはビール箱2つを持ってトイレにいるんだぜ”と言うなら、誰もが“最高!こいつら大好き”と思うだろうけど、でも、実際はそうではなく、“ああ、そうか、ただのポーズの集団か”となる。だから、現実を見なければならないんだ」。