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マイルス・デイヴィスやオーネット・コールマンらを魅了したタブラ奏者のバーダル・ロイ死去

2022/01/21 16:05掲載
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Badal Roy
Badal Roy
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)オーネット・コールマン(Ornette Coleman)らを魅了したタブラ奏者、バーダル・ロイ(Badal Roy)が死去。米国の公共ラジオ局NPRは、姪のピアリ・ロイからバーダルが1月18日に亡くなったとの報告があったと伝えています。82歳でした。

バーダル・ロイことAmarendra Roy Chowdhuryは1939年、東ベンガル(バングラディシュ領)のヒンドゥー教徒の家庭に生まれる。愛称の“バーダル”"はベンガル語で“雨”を意味するという。ほとんど独学で学んでいたが、叔父から初めてタブラのレッスンを受け、その後のニューヨークではタブラの巨匠アラ・ラカに師事した。

1968年にニューヨークに移り住む。当初は統計学の博士課程に通うためだったが、マンハッタンのインド料理店でタブラを演奏していたところ、ジョン・マクラフリンに見初められた。マクラフリンが1971年に発表したアルバム『My Goal's Beyond』は、ロイが初めてレコードに参加した作品である。

その後、マクラフリンも参加したマイルス・デイヴィスのアルバム『On The Corner』(1972年)のレコーディングに参加。このアルバムの「Black Satin」という曲では、ロイのタブラが最初に鳴っている。この『On The Corner』を皮切りに、ロイはデイヴィスのステージやスタジオに参加し、ツアーでニューヨーク以外の場所に行ったり、1974年のアルバム『Get Up With It』のレコーディングに参加したりした。

ニューヨークに移住してから20年後の1988年、オーネット・コールマンのファンキーなエレクトリック・アンサンブルであるプライム・タイムに参加し、1995年にリリースされた彼らの最後のアルバム『Tone Dialing』に参加した。