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ニルヴァーナ『Nevermind』の赤ちゃん 再提訴

2022/01/14 09:07掲載
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Nirvana / Nevermind
Nirvana / Nevermind
ニルヴァーナ(Nirvana)のアルバム『Nevermind』のジャケット・カヴァーに赤ちゃんの頃の写真が使われた男性スペンサー・エルデンが、このカヴァー画像は本人の同意なしに撮影・使用されたもので、このアートワークは児童ポルノにあたると主張して再提訴しています。

この訴訟は、エルデン側がニルヴァーナ側の棄却申し立てに対する回答期限である12月30日を過ぎたため、裁判官は1月3日、期限を過ぎたことを理由にこの訴訟を却下しましたが、エルデンと彼の代理人には訴状を修正して再提出するための10日間の猶予が与えられました。この訴訟は1月13日にロサンゼルスの連邦裁判所に再提起されています。再び提起されたことは、米ローリングストーン誌、Variety、Pitchforkによって確認されています。

再提出された訴訟では、ニルヴァーナのバンドメンバーであるデイヴ・グロールとクリスト・ノヴォセリック、カート・コバーン・エステート、コートニー・ラヴ、写真家のカーク・ウェドル、ユニバーサル・ミュージック・グループ、UMGレコーディングス、MCAレコード、デヴィッド・ゲフィン・カンパニーが再び訴訟の被告として名を連ねています。

エルデン側は「この訴訟の提起前の10年間に、各被告はニルヴァーナのアルバム『Nevermind』のジャケットにこの画像が印刷されたときに18歳に達していなかったスペンサーを描いた児童ポルノを、故意に所持、輸送、複製、広告、宣伝、提示、配布、提供、および/または入手した」と主張し、「上記の行為の結果、スペンサーは本訴訟の提起に先立つ10年間に損害を被り、上記の違反行為が続く限り損害を被り続ける」と付け加えています。また「スペンサーを描いた児童ポルノを意図的に商業的に販売し、アルバム『Nevermind』、バンド、およびニルヴァーナの音楽を宣伝するために、スペンサーの画像の淫らな性質を利用して、最低でも総額数千万ドルの利益を得た」とも主張しています。

この訴訟では、被告が「性的人身売買の事業であることを知りながら、あるいは知るべきでありながら、故意に参加して利益を得た」とする主張が削除されています。

エルデンの最初の訴訟は、2021年8月に起こされました。

同年12月、ニルヴァーナ側の弁護士はカリフォルニア州の連邦裁判所に棄却の申し立てを行いました。「『Nevermind』のアルバムカヴァーの写真が児童ポルノであるというエルデンの主張は、表面的には深刻なものではありません」と主張し、さらにこの弁護士は、請求の時効は2011年に成立していると付け加えていました。

ニルヴァーナ側の弁護士は、バンドが違反行為として訴えられている法令には10年の時効があると述べています。「この期間は、原告が“請求の基礎”となる違反または傷害のいずれか遅い方を合理的に発見した時点から始まる」と弁護士は書いています。したがって、エルデンは2011年8月以前にアルバムのカヴァーと写真を知っていたので時効は成立していると弁護士は主張しています。

またニルヴァーナ側は「『Nevermind』のジャケット写真は1991年に撮影された。遅くとも1992年までには世界的に有名になっていた。エルデンは、2011年よりもずっと前からこの写真のことを知っており、写真に写っている赤ちゃんが自分(他の誰かではない)であることも知っていた。彼は何十年も前から、想定される違反と傷害の両方の事実を完全に認識していたのです」と述べ、さらに「『Nevermind』のアルバムカヴァー写真が児童ポルノであるというエルデンの主張は、表面的には深刻なものではありません 。写真やエルデン自身の行動(この写真が何百万人ものアメリカ人の家にあることは言うまでもなく、エルデンの理論では、児童ポルノ所持の重罪を犯していることになる)を簡単に調べれば、それは明らかです」とも主張。加えて、エルデンが「報酬と引き換えに写真を再現した」ことや「女性を口説こうとするためにそのつながりを利用した」ことを指摘し、「エルデンは30年間、自称“ニルヴァーナ・ベイビー”としての有名人から利益を得てきた」とも主張しています。