エディ・ヴァン・ヘイレン(Eddie Van Halen) は晩年、彼のニーズを真に理解しているギターテックを見つけるのが難しくなっていました。2007年からエディが亡くなる2020年までギターテックを担当したトム・ウェーバーは、出演した『The Jeremy White Show』の中で、エディの採用試験について語っています。
トムとエディは1987年に初めて会いました。エディが何人ものギターテックを失った(解雇した)後の2000年代半ばに、エディの元ギターテック、マット・ブルックを通じて2人は再会しています。
マットはトムを5150スタジオに連れて行き、採用試験の条件を説明しました。
「マットはギグバッグからギターを取り出して僕に渡し、“エドが好きだと思うようにセッティングしてくれ、情報は一切与えない”と言ったんだ」
トムはこれを奇妙に思いましたが、「もしこれが簡単だったら、僕はここにいないだろう。それに、(試験を受けるのが)少なくとも僕で3人目だと知っている。つまり、現時点ではうまくいっていないんだ」と考えたという。
エディのセットアップには、普通のギタリストとは違う難しさがあったという。そこでトムは、何年も前にエディと出会ったときのこと、そしてエディの演奏スタイルや音楽的背景について知っていたことを思い出します。
「1993年に彼と握手したことを覚えているよ。彼は本当に強く握っていたんだ」とトムは言います。
力強い手ということは、標準的な設定で音を出すとイントネーションが鋭くなってしまうことを意味するという。トムは、それを補うことが課題だと考えました。
さまざまな試行錯誤の末、調整を終えたギターをエディのところに持っていくと、エディは数分後に笑顔で戻ってきます。彼はトムに「(自分のために)ギターをチューニングできる人は世界中にいない」と言い、トムは最初の挑戦で、それまでの誰よりも近づきます。
トムは、もう1本、別のギターを持ってホテルに戻されます。エディは、彼がただ運がいいだけではなく、実力があることを確かめたかったのです。
翌日、エディは、トムの前で2本目のギターを試してみます。
彼はギターを手に取り、ネックを耳に当ててコードを弾くと「完璧だね。君は今までどこにいたんだ」と言ったいう。トムは「君が電話してくるのを待っていたんだよ」と言ったそうです。
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