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新作よりも旧作 2021年下半期に米国で消費されたアルバム全体のうち、カタログ・アルバムが82%を占める

2022/01/11 17:33掲載
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Listening to an album - Credit: Getty - Contributor
Listening to an album - Credit: Getty - Contributor
新作よりも旧作に注目する傾向が近年高まっていますが、米国では2021年後半に消費(販売+ストリーミング)されたアルバムのうち、18ヶ月以上経過したカタログ・アルバムの占める割合が82.1%にも達するという。

これは、Music Business Worldwide社がMRC Data社が2022年1月6日に発表した最新の米国市場レポートを分析した結果。同社の分析によると、2021年下半期全体で消費されたカタログ・アルバムは3億7670万枚相当で、18ヶ月以内の「現行」アルバムはわずか8200万枚相当でした。

ただし、これには、いくつかの重要な注意点があります。MRCは、カタログ作品を18ヶ月以上経過したアルバムと見なしており、またソースデータはストリーミングと、他のフォーマット(CD、アナログレコード、カセットテープ、ダウンロード)で購入したアルバムを区別しておらず、最終的な数字はこの2つの合計となっています。

MRCは、アルバム内の楽曲を定額制音楽配信サービスで1,250回、または広告付き配信サービスで3,750回ストリーミング再生するごとに、フィジカル・フォーマット(CD、アナログレコード、カセットテープ)でアルバム1枚を購入したと同等の売上に変換しています。また、1枚のアルバムに収録されている楽曲のダウンロード10回ごとにも同様の処理を行っています。

Music Business Worldwide社は、MRCが報告した数字は、MRCがストリーミングと他の手段でアルバムを購入することを区別していないことと、新型コロナウイルス時代に音楽ストリーミングの利点を発見する年配のリスナーが増えているからではないかという仮説を立てています。

MRCによると、米国では56歳から74歳までの音楽リスナーの89%が2021年中にストリーミングを利用しています。

MRCが発表した世代別におけるストリーミングの利用率によると、この年齢層の利用者は英国(41%)、ブラジル(63%)、ドイツ(37%)、日本(34%)などで、他の国に比べて米国は圧倒的に多いようです。

米国ではストリーミングされたアルバムの総数は2020年と比較して9.9%増加し、合計1兆1,300億枚に達しています。

今回の分析では、ストリーミング・プラットフォームは、古い音楽にとっても新作と同様に有益であり、カタログ・アルバムは、音楽市場において新しい作品と非常に厳しい競争をしていることがわかります。