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「ゴジラメガムリオン地形区」 世界の海底地形名を標準化する国際会議で承認

2022/01/06 15:30掲載
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ゴジラ  TM & (c)1954 TOHO CO., LTD.
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海上保安庁によると、世界の海底地形名を標準化する国際会議で日本が新たに提案した海底地形名18件が承認されました。「ゴジラ」にちなんだ「ゴジラメガムリオン地形区」もあります。

ゴジラメガムリオン地形区は、2001年に沖ノ鳥島南東方で発見。その大きさは、東京都の面積の約3倍。その巨大さから、日本が世界に誇る東宝怪獣「ゴジラ」の名が引用され、命名されています。

以下プレスリリースより

国際水路機関(IHO)とユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)が共同で設置する「海底地形名小委員会」※が令和3年1月、6月、11月にオンライン会議として開催され、審議の結果が今般発表されました。

今次会合において、ゴジラメガムリオン地形区等、我が国が新たに提案した
海底地形名18件が承認されました。

我が国から提案し承認された名称は、主に小笠原諸島付近の海底地形を対象
に、海底地形の特徴、人名・船名、付近の地名に因んで付けられたものです。

これらの海底地形名は、IHO/IOC 海底地形名集に掲載されることで世界中に周知され、今後地図・海図や論文などに使われることになります。

※海底地形名小委員会(SCUFN)とは、世界の海底地形名を標準化するための学術的な委員会です。誰でも、領海外の海底地形について SCUFN へ提案することができますが、我が国では海上保安庁が委嘱した有識者で構成される「海底地形の名称に関する検討会」における検討を経て提案を行っています。海底地形には、原則として、近傍地名、船名、海洋に貢献した故人名・機関名等に因んだ名称を付けることができます。また、同類の海底地形の集合に対しては、星、鳥、暦等、グループの名称を付けることができます。

■海底地形の特徴に因む名称(5件) (*については、米国と共同提案)
ゴジラメガムリオン地形区(ごじらめがむりおんちけいく)
友情-フレンドシップ海嶺*(ゆうじょう-ふれんどしっぷかいれい)
トモダチ海山*(ともだちかいざん)
友情海山*(ゆうじょうかいざん)
フレンドシップ海嶺*(ふれんどしっぷかいれい)

■人名・船名に因む名称(5件)
にちなん海山(にちなんかいざん)
のじま海陵(のじまかいりょう)
うらが海山(うらがかいざん)
小坂海山群(おさかかいざんぐん)
長岡海嶺(ながおかかいれい)

■付近の地名に因む名称(8件)
駒ノ平海山(こまのたいらかいざん)
初寝山海山(はつねやまかいざん)
姪島海山(めいしまかいざん)
中海形海山(なかかいかたかいざん)
北西海徳海山(ほくせいかいとくかいざん)
南西海徳海陵(なんせいかいとくかいりょう)
沖海徳海山(おきかいとくかいざん)
沖海勢海山(おきかいせかいざん)

<主な海底地形名の由来>

●(1)ゴジラメガムリオン地形区

メガムリオンとは、海底拡大に伴う大規模な正断層に伴い、海底面にマントル物質などが露出したドーム状の高まりで、その表面に畝状の構造を持つことが特徴である。
ゴジラメガムリオン地形区は、2001 年、日本政府による大陸棚画定調査の際、沖ノ鳥島南東方で発見された。その大きさは、東京都の面積の約 3 倍、他のメガムリオンの約 10 倍もあり、現在見つかっているメガムリオンの中で地球上最大のものである。そのため、その巨大さから、日本が世界に誇る東宝怪獣「ゴジラ」の名が引用され、命名された。世界に分布するメガムリオンの中で、名称が国際的に登録されたのは、このゴジラメガムリオン地形区が初めてである。ゴジラメガムリオン地形区は海洋科学において非常に重要な研究対象であり、日本を中心とする国際的研究グループによる調査の結果、フィリピン海プレートの組成・構造に関する重要な研究成果が得られている。
参考:https://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/index.html