英国を代表するクリスマス・アンセムのひとつ、
スレイド(Slade) の「Merry Xmas Everybody」。この曲を書いたノディ・ホルダーは英ガーディアン紙のインタビューの中で「毎年いくら稼いでいるのか」と聞かれ、「毎年、ヒット曲を出しているようなものだよ。いい年金制度だと思うよ」と笑っています。
英ガーディアンのインタビュアーは、ホルダーのインタビューが半分ほど終わったところで「どうしてもこの質問をしなければならない。でも、ちょっと失礼かもしれない」と言うと、ホルダーはこう話しています。
「何を聞こうとしているのか、わかっているつもりだよ(笑)。毎年、いくら稼いでいるのか、だろう。みんな、いくら稼いでいるのか知りたがっているんだよ!」
「Merry Xmas Everybody」は1973年にリリースされ、英国では80年代に8回、90年代に2回、そして2006年以降は毎年チャートインしています。
現在チャート30位、Spotifyでのストリーミング回数は8800万回、今年初めて公開されたビデオは15万回以上再生され、さらに増え続けています。きっと印税は凄いはず。
「毎年違うので、数字では表せないけど。広告や映画に使われる年もある。スパイス・ガールズ、トニー・クリスティ、オアシスなど、さまざまなカヴァー・ヴァージョンもあるしね。毎年、PRS(英国の音楽著作権団体)に報告書を提出しているけど、この曲をクリスマス・ツアーで演奏するアーティストの数は驚くほど多いんだよ。オリジナルのスレイドの4人は演奏権を共有しているけど、たまたまジム(・リー)と俺が主に作曲したので、2人の収入が多くなっているんだ」
インタビュアーが「お願いだ、数字を教えてくれ」と頼むと「毎年、ヒット曲を出しているようなものだよ。いい年金制度だと思うよ」とホルダーは微笑んでいます。
ガーディアンによると、PRSは年間512,000ポンド(約7830万円)としていますが、Daily Mail紙は100万ポンド(約1億5290万円)以上と見ているようです。
50年近く経った今でも「Merry Xmas Everybody」が愛され続けていることにホルダーはこう話しています。
「今でもこんなに人気があるとは夢にも思わなかった。俺は“Look to the future now, it's not just begun(未来に目を向けよう、まだ始まったばかりだ)”という歌詞を思いついた。当時は、電気技師、パン屋、炭鉱夫、墓堀り人などがストライキをしていて、ひどい状態だったからね。国の状況を考えれば、今でも同じことが言えるだろうね。未来に目を向けよう、まだ本当に始まったばかりだ。
人々は俺をクリスマスと結びつけ、まるでサンタの小さなお手伝いさんのように思っているんだ。彼らは、俺が厚底靴を履き、シルクハットをかぶって、“イッツ・クリス〜マス!”と叫びながら通りを歩いているのを、半ば期待しているのではないだろうか。彼らは、俺たちが他に40曲ものヒット曲を出していたことを忘れている。誰かが俺に向かって大声で“イッツ・クリス〜マス!”と叫ばない日はないよ。クリスマスの買い物をしていると、1日に40回は言われる。でも、50年経った今でも、俺を笑顔にしてくれるんだ」
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