ビリー・アイドル(Billy Idol)は英BBC Radioの番組の中で、プリンスについて、クイーンとデヴィッド・ボウイのコラボレーション曲「Under Pressure」について、そして、自身のヒット曲「Rebel Yell」について語っています。
ビリーはプリンスについて、「Dirty Mind」をお気に入りの曲として挙げ、次のように語っています。
「1981年にアメリカに渡ったとき、自分のキャリアを再構築するため、あるいはソロ・アーティストとしてスタートするために、最も見たいと思っていた人の一人がプリンスだったんだ。
実際、最初に見た人の一人はプリンスだった。ニューヨークの11番街にあるリッツというところで行われた彼のライヴだった。彼はゴム製のストッキングにジョックストラップを履いていて、とてもセクシャルなイメージで、アメリカにとって本当に常識外れなものだった。
でも、とんでもないことをしている人を見たときの感動は格別だ。俺は、時代に逆らっている人、ブレイクし始めた新しいアーティストなどを探していたんだけど、そんななか、プリンスが“Dirty Mind”をソウルフルに歌っていたんだよ。もちろん、きわどい歌詞もあったけど、それが80年代の醍醐味だったんだよ」
またビリーは、クイーンとデヴィッド・ボウイのコラボレーション曲「Under Pressure」についても語っています。
「この曲がリリースされたとき、本当に素晴らしかった。この世がどういうものかを知る恐怖、仲の良い友人たちが〝出してくれ...”と言っているような姿を見て、ただただ感傷に浸っていたんだ。
これは、俺たちが経験したものなんだよ。80年代は誰もが影響を受け始めていて、治療法もなく、人々はこの病気がどういうものかを、よく理解していなかった。俺たちは、世界中で多くのプレッシャーを感じていたんだ。
この曲は、俺たち全員に語りかけていると思う。まさに素晴らしいコラボレーションだ。ボウイはこれを引き継いだのだと思うよ。
あのキラーベースラインを生み出したのは、クイーンのベーシスト(ジョン・ディーコン)だったと思う。俺は素晴らしいコラボレーションが好きで、(この曲は)2組の偉大なアーティストが一緒になったときに何ができるかを示しているんだ」
また自身のヒット曲「Rebel Yell」について、ビリーは次のように語っています。
「俺にとって究極の80年代の曲は、俺の“Rebel Yell”だ! どうやってライヴを終わらせるか? みんなが疲れ果てるまでやり続けなければならないんだが、でも、この曲があれば、一気に終わらせることができるんだ。
俺は1983年、ローリング・ストーンズの誕生日パーティに行ったんだけど、そのとき、俺の前にキース・リチャーズ、ロニー・ウッド、ミック・ジャガーが立っていて、みんなが茶色くて大きなボトルを飲んでいたんだ。
彼らの口元までボトルを追いかけて、“この大きなボトルから飲んでいるものは何だろう”と考えていたら、ラベルが見えて、“Rebel Yell”というタイトルが見えてきたんだ。新しいアルバムのために曲を書こうとしていたんだけど、何と呼べばいいのかわからなかったんだ。それで、俺は“これは作ってもらったの?”と聞くと“これはケンタッキーで作ったものだよ...”と言われたので、“Rebel Yellは、曲名に使おうと思ったかい?”と言うと、彼らは何となく顔を見合わせて、“いや、使わないと思うよ”と言ったんだ。もちろん、それを使うことは俺の頭の中にあったけど、アメリカ南北戦争の話にはしない。俺は愛の叫びをテーマにしようと考えたんだ。
その夜は家に帰って、次の日には、できる限りのことを書いた。それをリハーサル室を持っているスティーヴ・スティーヴンス(ギタリスト)のところに持っていくと、イントロができて、それが真ん中の部分になって、キラーソングができあがったんだ。それから(プロデューサーの)キース・フォージーと一緒にレコーディングして、最終的には素晴らしいものになったんだ。それ以来、ずっと歌い続けているんだよ」