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リンジー・バッキンガム カヴァーだとすっかり忘れて誤って盗作 オリジナル・アーティストとは友好的に解決

2021/11/25 14:52掲載
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Lindsey Buckingham / Lindsey Buckingham
Lindsey Buckingham / Lindsey Buckingham
フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)での活躍でも知られるリンジー・バッキンガム(Lindsey Buckingham)が今年発表したソロ・アルバム『Lindsey Buckingham』には「Swan Song」という曲があります。バッキンガムは10年以上前に自身が録音したこの曲のデモを最近見つけて、歌詞やメロディを少し変えて自分の曲として発表しましたが、じつは見つけたデモは、あるアーティストの楽曲をカヴァーしたもので、誤って盗作していました。バッキンガムは、そのことをすっかり忘れていましたが、指摘されてすぐに自分の間違いに気付き、オリジナル・アーティストは「Swan Song」の共同ソングライティングのクレジットに加えられて、友好的に解決しています。

SPINによると、オリジナルは20年以上前に、ブラッド・ラナーとジョードン・ザドロズニーが共作した曲「Mind's Eye」。

ザドロズニーは、初めて「Swan Song」を聴いたとき、「どうしてこの曲を知っているのだろう、どうして以前に歌ったことがあるような気がするのだろう」と思ったそうです。その謎を解くために頭をフル回転させていたところ、「Swan Song」のサビは、歌詞を少し変えてキーを1つ下げただけで、20年以上前に自身がブラッド・ラナーと共作した曲「Mind's Eye」と同じサビだったことに気が付きます。

ザドロズニーは「デジャブのような不思議な感覚でしたが、ヒーローが自分の曲を歌っているというデジャブでした」とSPINに話しています。

ザドロズニーがバッキンガムと初めて会ったのは、ドリームワークスと契約した2000年のことでした。レコード会社の社長であるレニー・ワロンカーがアルバムを誰にプロデュースしてもらいたいかをザドロズニーに尋ねたところ、彼は憧れていたバッキンガムと答えました。

バッキンガムは多忙のため、アルバムをプロデュースする件は幻に終わりましたが、ワロンカーは2人をセッティングし、レコーディングを行いました。スタジオ・セッションの終わりには、2人は共作したCDをバッキンガムに手渡したそうで、そのうちの1曲をカヴァーしてほしいと頼んでいます。

バッキンガムは「Mind's Eye」を自分で録音。その後、10年以上経ってから自分のカヴァーを再発見し、それがカヴァーであることを忘れて、歌詞やメロディを少し変えて自分の曲として発表したのです。

ザドロズニーは「彼は何年も誠実に仕事をしてきましたし、誰か、特に僕たちから曲を盗む理由はありません」と語り、「彼は、僕たちの曲を選んで、デモを作って、何かあった時のためにしまっておいたのです。その16〜17年後にそのデモを見つけて、“これは2000年にやったクールなものだ”と思ったのです」とも話しています。

バッキンガムが自分の間違いに気付くと、法的な書類が友好的に作成され、ラナーとザドロズニーには一律の金額、音楽出版権の一部、そして「Mind's Eye」の派生曲とみなされる「Swan Song」の共同ソングライターとしてのクレジットが明記されました。