スティング(Sting)は、リック・ビートによるインタビューの中で、
ポリス(The Police)を振り返り、その中で「Roxanne」のハイトーン・ヴォイスについて「音域って面白いよね。ヘヴィメタル・シンガーは、たいていあの音域で歌っていると思うから、僕はヘヴィメタル・シンガーだよね、もう少しメロディーがあるけど」と語っています。
インタビュアーのリック・ビートが「スティング、僕は自分のYouTubeチャンネルで何度も言ってきたんだけど、もし今、ポリスが出てきて、誰もポリスを聴いたことがない中で“Roxanne”のような曲が出てきたら、皆は“何それ?すごい”と言うと思うんだ」「2021年にリリースされたヴァージョンの“Roxanne”も良いよね」と言うと、スティングはこう話しています。
「1978年にパリでギター1本で書いたヴァージョンで、今回のライヴのオープニングを飾っているんだ。ボサノバのような曲だよ」「同じメロディ、同じコードだけど、スチュワート(コープランド)と僕が考えた、ベースが2拍目にあるという奇妙なことはしていない。でも、この曲は今でも現代の曲のように響いているよ。僕たちの曲の多くは、今でもそうだ。時間に根ざしていない、ある種の無秩序さ...僕はそれが好き。1978年のものではなく、今のものだと思うよ」
さらにビートは、スティングのハイトーン・ヴォイスがラジオでポリスを際立たせるのに役立っていると指摘すると、スティングから意外な答えが返ってきました。
「音域って面白いよね。ヘヴィメタル・シンガーは、たいていあの音域で歌っていると思うから、僕はヘヴィメタル・シンガーだよね、もう少しメロディーがあるけど。同じようなことだけど、バンドのノイズに負けないためには、あの音域が必要なんだよ。ロックバンドでバリトン(※テノールとバスとの間の男声音域)はありないからね」
「曹長がパレード会場で叫んだりするのと同じだよ」「なぜだか分かる? 戦場では大砲の音を乗り越えなければならないからだ。撤退の責任がある。彼らには聞こえるような声を出す必要があったんだ。歌手も同じように必要なんだよ」
スティングはまた、ポリスが1984年に発表した「King Of Pain」について、その奇妙な点を認めています。
「僕たちは、ただふざけていただけなんだよ。僕はこの曲を、ある種のオペラのような曲だと考えていた。この曲には様々な章があるんだよ。僕たちは、ただ楽しみたかっただけなんだ」
さらにスティングは、ポリスの活動終了について、こう話しています。
「僕の直感では、僕たちが達成したいと思っていたことはすべて達成したんだ。10倍、100倍もね。それ以降は、満足感が薄れていく。
だから、自分の人生をかけて別のリスクを取る必要があったんだ。もちろん、僕にはポリスの成功による勢いがあった。次に何をするにしても、人々は少なくとも興味を持ってくれるだろう。そこで、その勢いを利用して、別のキャリアに進むことにしたんだ。
それはリスクを伴うものだったよ。僕は、アートとは常にリスクを取ることだと思っている。もしリスクを取らないのであれば、それはやっていないことになるんだ」。