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“フリー・ハンズ”タッピング奏法や「チャップマン・スティック」の発明者 エメット・チャップマン死去

2021/11/04 10:15掲載
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Emmett Chapman
Emmett Chapman
両手を使った“フリー・ハンズ”タッピング奏法や楽器「チャップマン・スティック」の発明者であり、スティック・エンタープライズ社の創設者であるエメット・チャップマン(Emmett Chapman)が死去。スティック・エンタープライズ社の公式サイトで発表。癌との長い闘病生活の末、11月1日に自宅で亡くなっています。85歳でした。

チャップマンは、60年代後半に「スティック」と名付けた10弦の楽器を発明しました。ジャズ・ギタリストでもある彼は、すでにカスタムメイドのロングスケール9弦ギターを弾いていました。このギターには「ワイルド・ストリング」と呼ばれるギアシフトレバーが付いており、要求に応じてさまざまな異なる音程にアクセスできるようになっていました。

ある夜、立って演奏の練習をしていたチャップマンは、直立した状態で両手をネックに直角に当てて、タップして演奏する方法を思いつきました。この新しいポジションでは、ネックの幅と長さ全体へのアクセスと移動速度が格段に向上しました。彼はこの奏法を「フリーハンド」と名付けました。その後、チャップマンは新しい楽器の開発に着手し、5年後の1974年に10弦の「チャップマン・スティック」を発表しています。

スティック奏者として有名なのは、キング・クリムゾンなどのトニー・レヴィン(Tony Levin)で、ピーター・ガブリエルやキング・クリムゾンなどの演奏に早くから使用していました。一方、カジャグーグー等で知られるニック・ベッグス(Nick Beggs)は、ゲイリー・ニューマンやベリンダ・カーライルとの仕事でこの楽器を使用していました。

以下はトニー・レヴィンが「チャップマン・スティック」について語っている映像