Members of the Afghanistan National Institute of Music on the plane to Doha. Courtesy of the Afghanistan National Institute of Music
米国の公共ラジオ局NPRによると、アフガニスタンのオーケストラ奏者、音楽学生、教師の計101人がタリバンから脱出。数週間にわたって何度も脱出を試みたが失敗していたアフガニスタン国立音楽大学(ANIM)と、アフガニスタン初の全女性オーケストラであるゾーラ・オーケストラのメンバーが、ついに脱出することに成功、飛行機でカタールのドーハに到着しています。
「100人の命が救われた。100人の夢が救われた」と、ANIMのディレクター兼創設者であるアフマド・サルマスト博士は感慨深げに語っています。
タリバンは芸術的な自己表現を禁じています。音楽を聴くことさえも禁止されています。この数週間、米国議会議員やヨーヨー・マなどの音楽家をはじめとする国際社会は、ANIMの音楽家や生徒たちの脱出を支援しようとしてきました。
9月には、ゾーラ・オーケストラのメンバーが空港の数メートル以内にたどり着きましたが、カブール空港で眠っている司令官を起こすことをタリバンの警備員が拒否して追い返されたと伝えられています。
NPRの取材に応じたサルマストは、今回の避難が成功したのは「水面下での多くの交渉」があったからだと語り、「カタール大使館の現地の友人たち、そしてカタールの外務大臣の貢献」を強調しました。カブールから飛行機が飛び立ったことを知ったときには、涙が出たと彼は言っています。
現在、サルマストと彼の仲間たちは、取り残された学生、教師、家族など180人以上のANIMコミュニティのメンバーの避難を確保しようとしています。