『ゴルゴ13』で知られる漫画家の“さいとう・たかを”が9月24日、膵臓がんのため死去。さいとう・たかを、およびビッグコミック編集部の公式サイトで発表されています。84歳でした。
以下、ビッグコミック編集部より
本誌にて『ゴルゴ13』を連載いただいております劇画家のさいとう・たかを氏が、2021年9月24日膵臓がんのため逝去されました。
「氏には創刊の年から53年続く看板連載作品『ゴルゴ13』のご執筆ほか言葉に尽くせぬお力添えを賜りました。
生前のご功績に心から賛嘆と感謝を申し上げ、謹んで氏のご冥福をお祈りいたします。
〈ビッグコミック編集部〉
………だが、物語は続く。
誰よりも早く、コミックの分業形態での制作システム構築に心を砕かれたさいとう・たかを氏。
『ゴルゴ13』においても脚本協力、作画など各分野をそれぞれのプロフェッショナルたちが担当、その全体をさいとう氏が指揮し、そしてもちろんご自身も構成、作画、脚本と何役もこなされた上で作品作りを進めてこられました。
そのさいとう氏は生前から「自分抜きでも『ゴルゴ13』は続いていってほしい」という、いわば分業体制の究極とも言えるご希望を持たれ、さいとう・プロダクションを、そのような制作集団として再構築されました。
今後は、さいとう・たかを氏のご遺志を継いださいとう・プロダクションが作画を手がけ、加えて脚本スタッフと我々ビッグコミック編集部とで力を合わせ『ゴルゴ13』の連載を継続していく所存です。
どうか今後とも、ご愛読ご声援をよろしくお願いいたします。
■さいとう・たかを 公式サイト
https://www.saito-pro.co.jp/■ビッグコミック編集部 公式サイト
https://bigcomicbros.net/65270/さいとう・たかを(本名:齊藤隆夫)は1936年和歌山県生まれ。1955年『空気男爵』(大阪・日の丸文庫刊)でデビュー。貸本向け漫画誌の中心的な存在として、大阪で精力的な活動を続ける。1960年『台風五郎』の大ヒットで不動の人気を獲得。その後、活動拠点を東京に移し『さいとう・プロダクション』を設立、作品制作過程における分業化をはかり、脚本部門を設けるなど、プロダクション形態の劇画制作システムを構築。自他共に認める劇画の第一人者である。
1975年に第21回小学館漫画賞、2002年に第31回日本漫画家協会賞・大賞を、ともに『ゴルゴ13』で受賞した。2003年に紫綬褒章受章、2004年に再び『ゴルゴ13』で第50回小学館漫画賞審査委員特別賞受賞、2010年に旭日小綬章受章。社団法人日本漫画家協会理事。
代表作『ゴルゴ13』は単行本が201巻を突破し「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された。