ピンク・フロイド(Pink Floyd)がアルバム『Wish You Were Here(邦題:炎〜あなたがここにいてほしい)』をレコーディングしている時、
シド・バレット(Syd Barrett)が何の前触れもなくスタジオに姿を現しました。この時のことをフロイドのドラマー、
ニック・メイスン(Nick Mason)が米ラジオ局95.5 KLOSの番組の中で振り返っています。
インタビュアーが「『Wish You Were Here』のセッションにシドが現れたんですよね? シドがスタジオに来たとき、どのようなものだったのでしょうか?」と尋ねると、メイスンはこう答えています
「ロックンロールの話にはつきものだが、真相は誰にもわからない。彼は確かに現れたけど、中には2日連続で現れたと考える人もいて、それは正しいかもしれない。
2枚の写真がある。彼はそれぞれ別のものを着ている。今となっては、それが1日だったのか2日だったのかは分からないが、とても不安な体験だった。
スタジオからコントロール・ルームに入ったとき、デヴィッド(ギルモア)が“誰かと思えば”と言ったと思う。当時、彼は禿げていて、眉毛も剃っていて、体重も増えていて、本当に変わってしまっていたんだ...。
かなり気が動転したよ」
Q:彼はどのくらいの期間、滞在していたのですか?少しでも録音を止めましたか?
「繰り返すけど、どのくらいの時間だったか覚えていないし、はっきりしたことも分からない。たぶん、ロジャーやデヴィッドと一緒に食堂に行ったんじゃないかと思うんだ。
もうずいぶん前のことだからね。でも、あまりにも不安だったので、1週間後に聞かれても、彼がどのくらいそこにいたのかよくわからなかったと思うよ」
Q:レコード作りに集中して素晴らしいレコードを完成させたかったからですかね?
「ああ、でも、たぶん、シドがいたことで、そのことはむしろ片隅に追いやられてしまったんだと思うよ」