アメリカ南部・ルイジアナ州に上陸した大型ハリケーン「アイダ」。ジャズ発祥の地である同州ニューオリンズでも被害が出ており、米メディアによると、ニューオーリンズの豊かなジャズの歴史に関連する歴史的なランドマークであり、特に
ルイ・アームストロング(Louis Armstrong) に関連する重要な建物である「カルノフスキー・ショップ」が倒壊しています。
A Closer Walk New Orleansによると、この建物は1913年に仕立て屋としてオープンし、2階にはこの建物を所有していたユダヤ系移民の家族であるカルノフスキー家のアパートがありました。
アームストロングは7歳の頃からカルノフスキー家の世話になっており、カルノフスキー家は、アームストロングをジャンクや石炭運搬車の作業員として雇い、時には夕食にも招待していました。また、アームストロングが初めてコルネットを買うための資金も貸しています。
ジャズ史研究家のジョン・マッカスカーは4WWLの取材に対し、「ルイは、自分の心に歌うことへの愛情を植え付けてくれたのはカルノフスキー夫妻だと言っていました。一家は彼に食事を与え、一緒に夕食を食べ、そして子供たちを寝かせるために歌っていたのです」。マッカスカーは、この子守唄が、アームストロングのスキャットへのアプローチに影響を与えたのではないかと推測しています。
カルノフスキー夫妻の息子であり、アームストロングの少年時代の友人でもあるモリス・カルノフスキーは、後に通り沿いにニューオリンズ初のジャズ・レコード店「モリス・ミュージック」を開いています。この店は、ミュージシャンたちの出会いの場でもあり、アームストロングは、この街に何度も足を運ぶたびに、友人やミュージシャン仲間と共にこの店に訪ねています。
「カルノフスキー・ストア」は国家歴史登録財に登録されています。
この建物は、破壊されたときには空き家になっていましたが、この物件を復活させるためのさまざまな取り組みが行われており、最近では2019年にクリーブランドに拠点を置くGBXグループがナイトクラブとしての可能性も含めて修復する契約を結んでいました。
●倒壊前の映像
VIDEO
●倒壊後の映像