■『松本隆のことばの力』
藤田久美子 インタビュー・編
<内容>
作詞家、松本隆が50年のキャリアを語り尽くす。
「はっぴいえんど」の日本語ロックや松田聖子などに提供した歌詞の背景から日本語という言葉のおもしろさと可能性が浮かび上がる。
細野晴臣、大滝詠一、鈴木茂と組んだ「はっぴいえんど」時代、日本語とロックの関係を築き上げ、その後「職業作詞家」に転身。
その頃の作詞家には脚本家とコピーライター出身者が多く、ミュージシャン出身(著者はドラマー)は珍しい存在だった。
音楽への深い理解とリズム感を生かし、まったく新しい歌詞の世界をつくり上げていく中で発見した「ことばの力」とは。
アグネス・チャン、太田裕美、松田聖子、ジャニーズのアーティストたち……に歌詞を提供、ヒット曲を量産し続け、古事記やシューベルトの「訳」も手がける。
唯一無二の「ことばとの関わり」をアーカイブするとともに、歌詞にこめられた時代、風俗、思い、そして風…も未来に伝える。
(目次より)
第一章 はじめにことばありき
第二章 ことばの力
第三章 詞の作り方
第四章 「冬の旅」への旅
第五章 瑠璃色の地球
昨年亡くなった、盟友である作曲家、筒美京平氏への思いも綴られる。
●松本隆(まつもと たかし)1949年、東京都港区出身。慶応大学商学部中退。1960年代後半、ドラマーとして細野晴臣らとバンド活動を始め(後の「はっぴいえんど」)、作詞も担当。
バンド解散後、アグネス・チャンの曲の作詞を依頼されたことから職業作詞家として本格的に活動。
松田聖子、太田裕美、近藤真彦、薬師ひろ子らに歌詞を提供。質量ともに稀代のヒットメーカーとなる。現在、兵庫県神戸市在住。