Alex Lifeson, courtesy of Epiphone
多くのミュージシャンはライヴでの即興演奏を好みますが、
ラッシュ(Rush)の
アレックス・ライフソン(Alex Lifeson)は、キャリアの初期にライヴで即興演奏をしなかった理由を明らにしています。
カナダのLong & McQuadeのインタビューで、ライフソンは、ラッシュはライヴ・パフォーマンスのサウンドをできるだけレコーディングされたものに近づけたかったと説明しています。しかし、時が経つにつれ、彼らはもう少しカジュアルになり、ステージ上で実験する余地を与えてくれるようになったと話しています。
インタビューの中で「ライヴで曲を演奏するとき、その瞬間をできるだけ正確に再現しようとしているのか、それとも即興で何か違うことを試そうとしているのですか?」と尋ねられたライフソンはこう答えています。
「伝統的に、僕たちは常にアルバムの内容を再現しようとしていた。確かに初期の頃は、音の大きさとライヴであることを除けば、レコードで聴いたものがライヴで聴くことができるものだった。物事が進むにつれて、僕たちのアレンジや音楽は複雑になっていったけど、僕たちは常にレコードでやったことをライヴで再現しようとしていた。
多くのプレイヤーやバンドは、かなりルーズなアレンジを好むよね。確かに僕たちも即興演奏をしたいと思っていたけど、ラッシュの場合は“よし、この曲の途中で2分か3分、即興で演奏してみよう”と決めていた。
でも、次にその曲を演奏するときには、同じように演奏する。最初は即興だったけど、それが僕たちの仕事のやり方で、何をするにしても正確さを重視していたんだ。
後年になって少し緩くなったけど、人々がこれまでに聴いてきたもの、慣れ親しんだものを再現することの方が常に重要だった。確かに、ソロの場合はその傾向が強いね。
曲に忠実に演奏していても、曲のハイライトとなるソロで、これまで何度も聴いているソロとは関係ないものになってしまうと、とても残念な気持ちになると思う。
だから僕はいつも、元々やっていたソロにできるだけ近づけるようにしているんだ」
また同じインタビューで、
ザ・フー(The Who)の
ピート・タウンゼント(Pete Townshend)からの影響についても語っています。
「ザ・フーは僕たちに大きな影響を与えた。ピート・タウンゼントは、特に僕に大きな影響を与えたよ。
子供の頃に影響を受けた偉大なギタリストをいくつか選ぶとしたら、彼はそのリストのトップに近い存在であることは間違いない。
アコースティック・ギターの演奏については、彼のやり方から多くのことを学んだ。コードは確かに影響を受けたけど、ラッシュのやり方のおかげで、より発展させることができたと思う。
ラッシュはリズムセクションがとても活発で、ゲディー(リー)もニール(パート)もとてもアクティブなプレイヤーなので、ギターがその場を守らなければならないことが多かった。通常とは逆の反応だよね。
通常は、ギターが他のメンバーをリードするものだけど、僕はより多くのトーンやハーモニー、サウンドを作り、彼らが自由に動き回れるような大きな土台を作る必要があった。
だから、オープンコードを弾いたり、オープンストリングスを鳴らしたり、そういったことはすべて、その土台を作りたいという願望の一部だったんだ。
その多くはピートからもたらされたものであり、当時のヘンドリックスやクラプトン、ペイジといった他のどのプレーヤーよりもそうであったと思う」