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2021年上半期 米国でレコードがCDの販売枚数を上回る だが一部のアーティストやレーベルはレコードから離れている

2021/07/18 20:56掲載
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ニールセン・サウンドスキャン(MRC Data)は2021年の上半期報告書の中で、2021年1月1日から6月30日までの6ヵ月間、米国内のアナログレコードの販売枚数は1,920万枚を超え、前年の同時期の920万枚から倍増以上の108.2%増を記録したと報告。さらに、MRC Data社の歴史上初めて(1991年以降)、米国でレコードがCDの販売枚数を上回ったことが報告されています。CDアルバムの販売枚数は1,890万枚でした。

ただ、多くのインディーズ・アーティストやレコード会社は、この人気の高まりが生産プロセスに与える影響に不満を表明しており、Pitchforkのレポートによると、10年前に復活のきっかけを作ったような小規模なレーベルやアーティストは、撤退し始めているという。

このレポートによると、新型コロナウイルスのパンデミックの前からすでにレコードの生産能力が低下しており、ロックダウンによってサプライチェーンが寸断されて以来、特に逼迫しているという。最近では世界のレコード需要が供給量の2倍に達していると言われています。ウォルマート、ターゲット、アマゾンなどの巨大小売店がレコードを取り扱い、大物ポップスターの色とりどりのスペシャルエディションがプレス工場を賑わせている中、独立系アーティストの納期は、需要が少ない時期の2〜3ヵ月から、8ヵ月〜1年に及ぶこともあるという。

アナログレコードの生産スケジュールの長さに対する不満は、アナログレコードの復活と同じくらい古いものですが、今回は違うようです。Pitchforkの取材に応じた自主制作アーティストやDIYレーベルのオーナーたちは、パンデミックによる製造の遅れが主な原因で、レコードから離れたと語っています。ロサンゼルスを拠点とするエクスペリメンタル・レーベル「Not Not Fun」とハウス系の姉妹レーベル「100% Silk」の共同設立者であるブリット・ブラウンは「今回のレコード生産の危機は、僕が知る限りでは最悪の事態だ。このフォーマットが存続するかどうか、疑問を投げかけている」と語っています。

他の人たちもこの意見に同調し、熱心なファンにフィジカル・リリースを提供し続けるために、比較的製造が容易なCDやカセットテープを使用するという意見もありました。バルセロナの実験的なサウンドを専門とするレーベル「Paralaxe Editions」の共同設立者であるDania Shihabは、パンデミック以前から、レコードよりもテープを多くリリースしていました。「もう二度とレコードを出さないとは言わないけど、よほど面白い作品やアーティストでなければ、出すことはない」と言っています。

■Pitchforkのレポート全文
https://pitchfork.com/thepitch/why-are-independent-artists-and-labels-turning-away-from-vinyl/