HOME > ニュース >

英国議会の委員会、音楽家に公正な分配を行うため音楽ストリーミングの完全なリセットを求める

2021/07/15 16:38掲載
メールで知らせる   このエントリーをはてなブックマークに追加  
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: UK
United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: UK
英BBCや英ガーディアン紙によると、英国議会の委員会は、音楽ストリーミングに関する6ヶ月間の調査の結果を発表。

音楽業界はアーティストにとって不利な状況にあり、成功を収めたポップスターでさえ、ストリーミングから得られる収益はわずかなものであると委員会は指摘。委員会は、英国のレコード会社がストリーミングによって得ている7億3650万ポンドの収入からミュージシャンに「公正な分配」を行うため、市場を「完全にリセット」することを求めています。

報告書では「音楽ストリーミングから得られる収益の低さは、クリエイティブなエコシステム全体に影響を与えています。成功を収め、高い評価を受けているプロの演奏家たちは、主流の音楽消費形態からわずかな収益しか得られていません。フィーチャーされていないパフォーマーは完全に排除されており、それ自体が有効なキャリアであるはずなのに、新しい才能のための重要なパイプラインにも影響を与えています」

議会のデジタル・文化・メディア・スポーツ(DCMS)委員会の委員長を務めるジュリアン・ナイト議員は「ストリーミングがレコード音楽業界に多大な利益をもたらしている一方で、その背後にいる才能豊かな演奏家、作詞家、作曲家が損失を被っている」「ストリーミングを完全にリセットして、収益の公正な分配を受ける権利を法律で定めなければならない」と述べています。

委員会は報告書の中で、アーティストが約16%を受け取っている現在のレートではなく、ロイヤリティを50/50に分割すべきだと述べています。

報告書では、ストリーミングサービス会社がストリーミングからの収益の約30%を取り、レーベルが約55%を回収し、残りをレコーディング・アーティスト、音楽出版社、ソングライターが分配しているという試算を紹介しています。