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ソニー・ミュージックの新キャンペーンで、20世紀のミュージシャンの一部が初めてロイヤルティを得ることに

2021/06/13 19:35掲載
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Sony Music
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ソニー・ミュージック・エンタテインメントの新しい取り組みにより、2000年以前に同社とレコード契約を結んだ一部のミュージシャンが、初めてロイヤリティの支払いを受けることになりました。

「legacy unrecouped balance programme」と名付けられたこのプログラムは、ソニー・ミュージックの「Artists Forward」と呼ばれるプロジェクトの一環として行われるもの。ソニーの説明によると、ストリーミングなどから得られた収入は、ミュージシャンが返せなかった前金に充てるのではなく、音楽を制作したミュージシャンに還元されます。

基本的に、レコード契約は、アルバムのリリースで利益を得ることを期待するレコード会社からお金を借りて、そのお金を使ってアルバムを制作・リリースする契約であることが多いです。

もし、アーティストが利益を出すのに十分な数のアルバムを売ることができなければ、将来の収入が負債の返済に充てられます。そのため、比較的成功したミュージシャンであっても、借金が残ってしまうことがありました。

Music Business Worldwideなどの報道によると、ソニーはミュージシャンに宛てた手紙の中で、契約の再交渉は行わないものの、「資格のある人が自分の音楽の使用から、より多くのお金を受け取ることができるように、既存の未回収の残高を支払う」と書いています。

「2000年以前にソニー・ミュージックエンタテインメントと契約し、2000年以降に前払い金を受け取っていない世界中の対象アーティストおよび参加者」に対して、2021年1月1日にまでさかのぼって売上とストリーミングに応じたロイヤルティを支払うとしています。その目的は「世界中の長年のアーティストに、より多くの支払いの機会を創出すること」と説明しています。

ソニーの広報担当者は、守秘義務契約の関係上、影響を受けるアーティストの名前を挙げることはできないと述べましたが、影響を受けるのは数千人のミュージシャンで、ある関係者は英BBCに「有名なアーティスト」が含まれていると語っています。