マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)といえば、大音量で演奏する轟音ライヴで知られていますが、
ケヴィン・シールズ(Kevin Shields)によると、あるライヴでは近隣の肉屋が大激怒。「包丁を持って僕の妹を追いかけていた。彼の店が大きく揺れたのでケーブルを切断しようとしていたんだ」という。英ガーディアン紙の最新インタビューの中で語っています。
バンドが毎回、コンサートのラストに演奏する「You Made Me Realise」にはノイズとフィードバックの大音量パートがあり、最大で45分間続きます。ケヴィンはこの曲の最中に起きた逸話を同紙のインタビューで話しています。
「あるライヴでは、肉屋が包丁を持って僕の妹を追いかけていた。僕たちが“You Made Me Realise”を演奏しているときにお店が大きく揺れたので、ケーブルを切りたかったようです」
別のコンサートでは、彼らのツアー・マネージャーが逮捕されてしまったそうです。
「警察がやってきて“You Made Me Realise”の演奏中にツアーマネージャーを逮捕したんだ。警察は彼を逮捕し、車に乗せて尋問した後に釈放した。彼が戻ってきたとき、僕らはまだそれを演奏していたよ」
ケヴィンは、そういった逸話が「無数に、数え切れないほどあった」と言っています。またケヴィンはライヴでの大音量へのこだわりから、会場を永遠に変えることを恐れていたという。「天井から塊が落ちてくる。大げさに聞こえるかもしれないけど、僕は真剣に、いずれどこかの屋根が落ちてくるのではないかと心配していた。重大な事故が起こるのは時間の問題だった」と述べています。
ケヴィンはまた、バンドが音量にこだわるのは「笑えるほど静かな...何かを消費するのではなく、消費されている」ようなライヴではなく、「素晴らしい身体的体験、真の超越的な体験」を観客に与えたいという願望の一部だと述べています。
もちろん、そのような体験は聴覚を犠牲にすることもあり、近年では何千個もの耳栓をライヴで無料配布しています。