「ドラキュラ城」　訪問者に新型コロナ・ワクチンを無料提供

ドラキュラ城のモデルとして知られるルーマニアの「ブラン城」。現在は、血に飢えた吸血鬼の呪文に誘われるのではなく、ファイザー社の新型コロナウイルス・ワクチンを無料で接種できるということで、地元の人々がこの城に集まっているそうです。ロイター通信などが報じています。

この1年、観光客数の激減と広範囲にわたる閉鎖により、世界中の文化的名所は対応を迫られていますが、ブラン城も例外ではありません。

ブラン城は、ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場するドラキュラ城のモデルとして世界的に知られていますが、海外からの観光客がいなくなったことで大きな打撃を受けています。

しかし現在、ルーマニアで最も有名なこの観光地を訪れる国内訪問者には特別な機会が与えられています。ブラン城には現在、新型コロナウイルスの予防接種センターが設立されており、5月中の金、土、日曜日にはワクチンの無料接種が行われています。

ロイター通信によると、この城に現れた人々は、血まみれの牙のステッカーを付けたワクチン接種者のチームに出迎えられ、無料ワクチンの申し出を受けた人には、その「大胆さと責任感」を称えて「ワクチン公式証明書」が贈られるそうです。

なお、ブラン城ではコロナウイルス対策だけではなく、中世の拷問器具の展示も無料で公開されています。

最近の調査によると、ルーマニアはヨーロッパでワクチンを躊躇する率が最も高く、Sky Newsの調査によると、これまでのところ、国の人口の約15％にしかワクチンを接種できていないという。今回のブラン城でのワクチン接種は、単にブラン城への訪問者数を増やすことだけではなく、有名な場所で行うことでワクチン接種を促す目的もあるようです。