NHK『BS1スペシャル「ジェイクとシャリース〜僕は歌姫だった〜」』(c)NHK
ドキュメンタリー『ジェイクとシャリース〜僕は歌姫だった〜』がNHK BS1で再放送決定。5月7日(金)放送。トランスジェンダー男性であることを公表したフィリピンの大スター。彼の再出発を見つめる。アメリカ国際フィルム・ビデオ祭「ドキュメンタリー・社会問題部門」金賞受賞。
■『BS1スペシャル「ジェイクとシャリース〜僕は歌姫だった〜」』
初回:NHK BS1 2019年11月16日
再放送:NHK BS1 2021年5月7日(金)午前9:00〜午前9:50 (50分)
フィリピンの貧しい家庭からアメリカンドリームをつかんだ少女シャリース・ペンペンコ。アジア人アーティストで初めてとなるビルボード・アルバムトップ10入りから7年後、自らの性自認が“男”であること、つまりトランスジェンダー男性だと公表。「ジェイク・ザイラス」と名前を改め、シャリースとしての名声も高い声も捨てての再出発。彼の人生と新しい挑戦を追いながら、自分の声を見つけるまでの等身大の姿を追いかける。
【出演】ジェイク
<番組スタッフから>
【この番組を企画したきっかけ】
『天が与えた奇跡の歌声』
ミュージカルや歌唱力のあるアーティストが好きだった私は、大学時代にレコードショップでシャリースのCDを見つけ、このキャッチフレーズで即購入しました。フィリピンの貧困家庭に生まれ、アメリカで成功を勝ち取ったというサクセスストーリーも魅力でした。(最近アジアのアーティストも欧米で活躍していますが、当時はほとんどいなかったように思います。)当時、「お母さんのために頑張ってきた」というシャリースの話に心打たれた人は多かったでしょう。
時が経ち、ある日新聞記事で男性になったことを知ってとても驚きました。女性として活動してきた苦悩、家族の無理解、虐待などの話がありました。「自分はシャリースの何も知らなかったんだな」と思い、表面では見えていなかったその心のうちを知りたいと、企画を書きました。
【制作でこだわった点、もしくは、苦労した点】
撮影を始めて思ったのは、ジェイク(シャリースの今の名前)にとっての大きな事件や悩みは過去にあること。それらのせいで彼は今も傷ついている、ということでした。過去を表現するのは難しいことです。彼の“心の傷”をどう見せたらいいか悩みました。
手立てとして考えたのは、当時発売されたばかりの自伝を番組に取り込むということでした。朗読してもらいながら、時々インタビューなども収録しました。そしてシャリースやジェイク自身の歌も、彼の心象を表すようなものを使いました。
【取材をする中で印象に残った言葉】
ジェイクは非常に饒舌で、聞いたことはなんでも答えてくれます。若くして注目されたので話すことに慣れているのだと思います。でもその反面、時々ぼんやりと、少し寂しそうに空を眺めている時がありました。その横顔が印象に残っています。
(ディレクター 二宮寛子)
番組ページ:
https://www.nhk.jp/p/bs1sp/ts/YMKV7LM62W/