Rudolf Schenker + Steely Dan / The Royal Scam (Image credit: Daniel Knighton/Getty Images)
スコーピオンズ(Scorpions)の
ルドルフ・シェンカー(Rudolf Schenker)は、
スティーリー・ダン(Steely Dan)の1976年アルバム『The Royal Scam(邦題:幻想の摩天楼)』が大好き。なぜこのアルバムを愛しているのかを英Classic Rock誌にて語っています。
「(1990年以降、スコーピオンズのアルバム制作に携わる)Erwin Musperからスティーリー・ダンのことを知ったんだ。スティーリー・ダンと演奏したことはないけど、一度だけジェフ・“スカンク”・バクスター会ったことがあるんだ。彼は素晴らしい人だったし、ドゥービー・ブラザーズとも共演していた。
スティーリー・ダンは主にスタジオ・バンドだった。信じられないほど質の高い音楽に特化していたけど、ヒット曲を書くこともできた。彼らを好きな理由は、ギターの演奏が素晴らしかっただけでなく、スターになることを考えていなかったからでもある。彼らは本物のミュージシャンだった。
このアルバムの歌詞はかなり深くて憂鬱だ。パーティ・バンドとして見られているであろうスコーピオンズのミュージシャンが、こんなグループを評価することに、人々は驚くのかもしれない。でも、僕らはパーティー・バンドとして見られたいわけではなく、真剣に受け止められたいと思っている。スレイドはパーティ・バンドだが、スコーピオンズは違う。
それにしても、スティーリー・ダンだけでなく、ヴァン・ヘイレンも好きになれない人はいるのはなぜ? どちらのスタイルの音楽も俺を一日中、助けてくれる。
俺の好きなバンドはブラック・サバスとレッド・ツェッペリンだ。でも、スティーリー・ダンはそれらとは違った。日曜日の午後に座ってリラックスして鑑賞できる音楽だったんだ。『The Royal Scam』は、“Kid Charlemagne”や“Don’t Take Me Alive”に素晴らしいロックギターがあるが、非常に複雑なアレンジも行っている。
“Hiatian Divorce”は最高だ。でも、俺にとってはアルバム全体が強力だ。それがポイントだった。曲は一緒に流れている。スティーリー・ダンはチャートシングルや巧妙なアートワークに頼る必要はなかった(俺は『The Royal Scam』のイメージは気に入っている)。彼らの音楽にはユーモアもたくさんあり、それがとても好きだった。
ゲイリー・カッツによるプロデュースも曲にぴったりだ。ビーチ・ボーイズと少し似ているが、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの伝統は、それぞれの曲が可能な限り最高に聞こえるまで働き続けた。それは彼らが一緒に仕事をしていたミュージシャンたちを悩ませたに違いない。でも、曲の作り込み方は伝わってくる。
でも、スコーピオンズのファンは心配する必要はないよ。次のアルバムでジャズ・ロックへの旅をする予定はないからね」