ジューダス・プリースト(Judas Priest)の
グレン・ティプトン(Glenn Tipton)は、
ロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)が在籍した
テイスト(Taste)の大ファン。英Classic Rock誌にて、なぜ好きなのかを語っています。
「信じられないかもしれないが、ロリー・ギャラガーは僕にとってジミ・ヘンドリックスよりも大きなインスピレーションだった。ギターを弾くことでキャリアを築きたいと思ったのは、誰よりもロリーのおかげだよ。
テイストは素晴らしいグループだった。ロリーがギターを弾いて歌い、チャーリー・マクラケン(リチャード・マクラケン/彼はスペンサー・デイヴィス・グループにいた)がベースを弾き、ドラマーは、かつてゼムのメンバーだったジョン・ウィルソンだった。バンドにはチャーリーとジョンの前に何人かメンバーがいたけど、僕が一番よく覚えているのはこのメンバーだよ。
彼らは典型的なパワー・トリオだった。僕はバーミンガムのMother'sというクラブでよくテイストを見ていた。初めてロリーを見た時はまだ子供で、ギターの弾き方も知らなかった。でも、ボロボロの古いストラトとAC30を持った男が汗だくでブルースを弾いているのを見て、信じられないような印象を受けたんだ。正確にはプログレッシブ・ブルースと呼ぶべきかな。
ギャラガーが過小評価されていたとは言わないし、人々は彼のことをよく知っていたけど、彼が本来受けるべきほどブレイクすることはなかった。テイストが解散してソロになった後もね。テイストは大物になるべきだったし、ロリーは並外れたプレイヤーだった。彼は素晴らしいフィーリングとエネルギーを持っていた。彼は気取っていない人だった。彼には本当に共感することができた。
テイストのデビュー・アルバムは1969年にリリースされたが、チャートに入ることはなかった。その次の『On The Boards』はもっと成功していたと思うけど、僕にとっては最初のアルバムが一番印象に残っている。
それはとても生々しくて、1テイクで、古い8トラックマシンか何かで録音されたように聞こえる。ギターの演奏は少し蛇行しているかもしれないが、ロリーはとても情熱的で魂のこもった音なので、どんな欠点も補ってくれる。このアルバムを作った時、彼はまだ19歳くらいだったそうだ。すごい。
僕のお気に入りのトラックは“Dual Carriageway Pain”。なぜそう呼ばれているのかはわからないけど、道路や高速道路とは何の関係もない。ガールフレンドや奥さんが遊んでいる男の話だと思う。
ロリーはアイルランドなまりで歌詞を見事に歌っている。彼がいつも着ていたランバージャックシャツを着ている姿を想像するだけで、あの苦しそうな表情の彼の顔に浮かんでくる...素晴らしい。
“Blister On The Moon”はクリームを思い出させる。“Leaving Blues”や“Born On The Wrong Side Of Time” なんて素晴らしいタイトルだろう。これもすばらしいトラックだ。テイストはロリーがソロになった時よりも少し抑えめでバランスの取れたものになっていた。 それは彼がギターのヒーローとして地位を確立し始めたときだ。
最初に言ったように、ロリー・ギャラガーが僕がギターを弾く理由だ。それは間違いない」