Keith Jarrett / Budapest Concert
キース・ジャレット(Keith Jarrett)の新作アルバム『Budapest Concert』から「Part VIII」が公開。
2016年ヨーロッパ・ツアーから2作目となるコンプリート・ショーの録音盤で、ブダペストのベラ・バルトーク国立コンサート・ホールでのソロ・ピアノ演奏を記録。アルバムは10月30日発売。リリース元はECM Records。
以下リリース決定時のインフォメーションより
本作は、2016年ヨーロッパ・ツアーから2作目となるコンプリート・ショーの録音盤で、ブダペストのベラ・バルトーク国立コンサート・ホールでのソロ・ピアノ演奏を記録。昨年リリースされた『ミュンヘン2016』よりも2週間前に録音されたもの。家族のルーツがハンガリーにあるジャレットは、このコンサートを故郷への帰郷のようなものと捉えており、聴衆にも説明している通りバルトークへの生涯の愛着という意味においても、多くの創造的な即興演奏にインスピレーションを与えたようだ。
ジャレットの初期のソロ・コンサートでは、一晩の間に大きな音楽の弧を描いていたのに対し、その後の彼の演奏は、特にアルバム『レイディアンス』以降、独立した「動き」で構成されたスーツのような構造を生み出しており、それぞれが自然発生的な機知に富んだ驚異的なものとなっている。ロンドンのフィナンシャル・タイムズ紙に掲載された『ミュンヘン2016』をレビューしたマイク・ホバートは、「初期のリサイタルでは、古典的な考察、ポピュリズム的な参照、ジャズの自発性が混ざり合い、発明の延長線上にあったが、後のリサイタルではそれらを分離している」と指摘している。即興演奏のプロセスがかつてのコンサートの主題であったとすれば、21世紀のジャレットのソロ・コンサートは、探し求めることよりも見つけることの方が重要であると言えるかもしれない。バラードであれ、ポリリズミックであれ、トーン・ポエムであれ、ブルースに関するエッセイであれ、その瞬間に形作られているのだ。
“ハンガリーのニュースサイト「Népsava」でガーボル・ボータは、「聴衆を魅了する彼の魅力は、彼の多ジャンルにわたる態度にあるに違いない」と書いています。「ジャレットは、ライトなものからシリアスなものまで、あらゆるジャンルを消費して自分のものにしている。演奏はすべて即興で行われるため、私たちは音楽が目の前で生まれてくるのを目の当たりにする…彼は空気を嗅ぎ、一瞬の感情をキャッチし、指を鳴らし、目を細めて、そこには正しい音、正しいメロディ、完全にユニークな演奏があるのだ」。
アンコールで演奏される、より身近な曲にも創造的なエネルギーが注がれており、「イッツ・ア・ロンサム・オールド・タウン」と特にラプソディックな 「アンサー・ミー、マイ・ラヴ」はブダペストで見事な変貌を遂げている。
最近、キース・ジャレットは、この『ブダペスト・コンサート』を、他のソロ・レコーディングの基準となる「ゴールド・スタンダード」と捉えていると語っている。前例のない音楽の旅の後半の最高点として聴くにしても、それだけで楽しむにしても、この作品は驚くべき成果をあげている。
以下は以前に公開された音源
「Part VII」