Gary Peacock - Photo by Eliott Peacock/Courtesy of the Peacock Family
20世紀を代表するジャズ・ミュージシャンたちと共演したジャズ・ベース界のレジェンド、
ゲイリー・ピーコック(Gary Peacock)が死去。数日前からミュージシャンらがSNSで訃報を投稿していましたが、彼の家族は米国の公共ラジオ局NPRへの声明で、ピーコックが9月4日(金)にニューヨーク州北部の自宅で安らかに亡くなったことを認めています。死因は明らかにされていません。ピーコックは85歳でした。
ゲイリー・ピーコックは1935年アイダホ州生まれ。ドラマー兼ピアニストとしてスタートし、その後、兵役に就き、この間にベースをマスターした。除隊後、ロサンゼルスでアート・ペッパーやバド・シャンク等と活動した後、1962年にニューヨークに移住し、ポール・ブレイ、ビル・エヴァンス、マイルス・デイヴィスらと共演した。
初リーダーアルバム『Eastward』は、1970年から1972年までの日本滞在中に菊地雅章(p)村上寛(ds)と共にレコーディングされたもの。
1977年にはキース・ジャレット、ジャック・ディジョネットとトリオで『Tales of another』を録音。1984年からは、このトリオ(通称スタンダーズ・トリオ)で活動し、ジャズのスタンダードを独自の解釈で演奏することに重点を置いた彼らはピアノ・トリオの歴史を大きく塗り替えた。1984年の『Changeless』、1990年の『The Cure』、1991年の『Bye Bye Blackbird』など、20年以上にわたって数々のレコードをリリースした。
ピーコックは晩年もソロ・アーティストやコラボレーターとして活躍し、2010年代にはマーク・コープランド、ビル・フリゼール、リー・コニッツらと数多くのプロジェクトに参加した。バンド・リーダーとしての最後のアルバムは2017年の『Tangents』。2018年にはECMから1998年にニュージャージーで行われた公演からピーコック、ジャレット、ジャック・ディジョネットのライヴ録音を収録した『After the Fall』をリリースした。