パヴァロッティとぼく〜アシスタント「ティノ」が語るマエストロ最後の日々
書籍『パヴァロッティとぼく〜アシスタント「ティノ」が語るマエストロ最後の日々』がアルテスパブリッシングから9月28日発売。ルチアーノ・パヴァロッティが亡くなるまでの13年間、もっとも信頼し、そば近くに置いて心を通わせた「最後のアシスタント」による回想録。孤独なオペラ王と若きアシスタントの心あたたまる物語。
■『パヴァロッティとぼく〜アシスタント「ティノ」が語るマエストロ最後の日々』
エドウィン・ティノコ (著), 小畑 恒夫 (日本語版監修), 楢林 麗子 (翻訳)
定価:本体2500円[税別]
送料:国内無料
四六判・上製 | 312頁+カラー口絵16頁
発売日 : 2020年9月28日
ISBN 978-4-86559-220-7 C1073
ジャンル : クラシック/オペラ/伝記
ブックデザイン:五味崇宏/カバー写真:Gerald Bruneau
<内容>
「神様から息子は授からなかったけれど、君はぼくの息子だ」
孤独なオペラ王と若きアシスタントの心あたたまる物語。
「ぼくのために働かないか」
ペルーの5つ星ホテルで働く青年ティノ。
それまでオペラを聴いたこともなかったホテルボーイに声をかけたのは、
世界一のテノール歌手だった──。
何十個ものスーツケースに詰め込んだ
タキシードとアロハシャツと食料と調理器具、
プライベートジェットでめぐる世界ツアー、
熱狂する聴衆と国家元首も参加するガラ・ディナー、
豪邸と別荘、花火まで打ち上げるパーティ、
度重なる手術と再起への飽くなき願望……。
「神に祝福された声」をもつ不世出の歌手ルチアーノ・パヴァロッティ(1935–2007)。
若くから数多くの伝説を生んだオペラの舞台に飽き足らず、
プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとの「三大テノール」公演、
ライザ・ミネリ、ボノ、エリック・クラプトンらポップスターたちとの共演でスタジアムを埋め尽くす聴衆を熱狂させ、
巨大なショービジネスの頂点に君臨した彼は、
晩年、深い孤独、醜聞に飢えたマスメディアの攻撃、そして絶え間ない身体の不調に苦しみながら、
ファンを喜ばせること、ファンに音楽の素晴らしさを伝えることに生命を燃やした。
「ファンこそぼくの人生の一部なんだ。もしいなくなったら心配になるじゃないか」
本書は、パヴァロッティが亡くなるまでの13年間、
もっとも信頼し、そば近くに置いて心を通わせた「最後のアシスタント」による回想録。
潑剌としてみずみずしいユーモアあふれる文体から、素顔のパヴァロッティの人間的魅力が伝わってくる。
◎関連情報
映画『パヴァロッティ 太陽のテノール』(ロン・ハワード監督)、2020年9月4日、全国ロードショー公開!
https://gaga.ne.jp/pavarotti/
<プロフィール>
エドウィン・ティノコ(Edwin Tinoco)
ペルー・カハマルカ生まれ。ペルーの首都リマの5つ星ホテル「ラス・アメリカス」で客室担当係として働いていた1995年(当時28歳)にルチアーノ・パヴァロッティに出会い、パヴァロッティが亡くなる2007年までの13年間、パーソナル・アシスタントを務める。現在はインターナショナル・オペラ・マネージメント代表。パヴァロッティの没後10年となる2017年に本書Pavarotti ed io ― Vita di Big Luciano ― raccontata dal suo assistente personaleを出版した。
楢林麗子(ならばやし・れいこ)
上智大学外国語学部フランス語学科卒。
「三大テノール」をきっかけにオペラに興味を持つ。イタリア・オペラのビデオやDVDを150本以上鑑賞。これまでに聴いたオペラやコンサートは、ミラノをはじめイタリア各地、ニューヨーク、パリなどの海外公演約30回、国内公演約90回。
好きな言葉は「Never too late(なにごとも遅すぎることはない)」。50歳からイタリア語を学び始め、本書が初の翻訳書となる。
小畑恒夫(おばた・つねお)
1952年大阪生まれ。昭和音楽大学名誉教授。
主な研究分野はオペラ史、イタリア・オペラ歌唱史。著書に『作曲家・人と作品 ヴェルディ』(音楽之友社)、『ヴェルディのプリマ・ドンナたち──ヒロインから知るオペラ全26作品』(水曜社)、訳書にタロッツィ『評伝ヴェルディ』(草思社)、ニコラーオ『ロッシーニ 仮面の男』(音楽之友社)などがある。
現在、日本ヴェルディ協会理事長、『レコード芸術』(音楽之友社)のオペラおよびビデオ・ディスクの新譜月評を担当。
<CONTENTS>
序曲 Ouverture
リハーサル Le prove
1 出会い
2 パヴァロッティ以前
3 パヴァロッティがリマに来た
4 初めて見るコンサート
5 旅立ち
第一幕 Atto primo
6 パヴァロッティのもとへ
7 熱狂のリオ
8 アマゾンからニューヨークへ
9 ニューヨークの日々
10 ブエノスアイレスでの乾杯
11 コロンビアの歓迎
12 ジャマイカの風
13 METの初日
14 ロンドンの『仮面舞踏会』
15 メラーノでダイエット
16 ロンドンの楽屋で
17 マイ・ウェイ
間奏曲 Intermezzo
18 パヴァロッティの友達
19 離婚
第二幕 Atto secondo
20 エリック・クラプトン
21 東京のペンネ・アラビアータ
間奏曲 Intermezzo
22 レディDの死
23 ピースメッセンジャー
24 膝の手術
25 ペーザロでのリハビリ
26 生き返ったパヴァロッティ
間奏曲 Intermezzo
27 同窓生
28 ぼくの太陽
29 逃亡者
30 サプライズ
31 ラッキーのお返し
32 母親との別れ
間奏曲 Intermezzo
33 METスキャンダル
34 父親の死
35 引退発表
36 モデナの鐘楼
37 喜びと悲しみと
38 新しい家族
39 結婚式のトランプ
40 パナマ帽
41 さよならツアー
42 招かれざる客
43 七〇歳のバースデイ
44 トリノ・オリンピック開会式
第三幕 Ultimo atto
45 最後のヴァカンス
46 脊椎の手術
47 希望
48 冷酷な知らせ
49 イタリア帰郷
50 生きることへの熱意
51 思いがけないお祝い
52 家族
53 グラニータ
54 別れ
幕 Sipario
〈パヴァロッティのアシスタントの覚え書き〉
日本語監修者あとがき
訳者あとがき