ニューヨーク・タイムズ紙は今夏、2008年6月に起きた米ユニバーサル・スタジオの倉庫火災で膨大なマスターレコーディングが失われたと報道。この倉庫火災の影響を受けたと伝えられている
Beckは、豪シドニー・モーニング・ヘラルド紙のインタビューの中で、膨大な未発表音源がすべて失われたのではないかという不安を打ち明けています。
Beckは、彼の経営陣は「何が失われたのかまだ教えてくれない」と言い、「彼らは、ニュースを伝えることに耐えられないので、僕に言っていないような気がする」と付け加えています。
Beckは、1980年代後半にキャリアを開始して以来、10枚以上のスタジオアルバムを発表しました。しかし、彼は、これらのリリースは彼が実際にレコーディングしたものの10%に過ぎないと言い、他の90%は、この火事で永遠に失われた可能性があります。
Beckは、2001年にロサンゼルスで録音した
ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)のカヴァ―・アルバム(2枚組)が「おそらくなくなっている」と言い、彼はまた、2002年アルバム『Sea Change』のアウトテイクや、ナッシュビルでわずか2日間に録音したカントリー・アルバム、1995年に
ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(Jon Spencer Blues Explosion)と共に作ったアルバムなど、まだリリースされていない複数のアルバムが破壊されたかどうかについても懸念を表明しています。
『Sea Change』のアウトテイクはフル・アルバム分あり、「曲が悪かったったということではなく、アルバムの雰囲気に合わなかっただけ」と説明。
またBeckは「1990年代にやったロック・アルバムもある。『Odelay』をやる前に、インディーロック・アルバムを作ってみたかったので、ペイヴメントやセバドーのようなアルバムがある...誰も僕たちに何も言ってくれない」とも話しています。
【Update:2019/11/28 11:13】
Beckは、自身のInstagramページに、インタビューの後に2008年ユニバーサルスタジオ倉庫火災における自身の損失は最小限であることがわかったと投稿。また「もう一つはっきりさせておきたいのは、最新のアルバムを制作するまでの25年間、僕と経営陣とは素晴らしく、とても親密な関係にある」とも投稿しています