高校演劇部2000校の中から日本一を決める、「演劇の甲子園」といわれる高校演劇全国大会。演劇に青春をかけて日本一を目指す高校生たちに、高校演劇出身の女優の松本穂香が密着。NHKドキュメンタリー『青春舞台2019』はEテレで9月7日(土) 放送。番組では、鹿児島県立屋久島高等学校演劇部の奮闘にも迫ります。
第65回全国高等学校演劇大会最優秀作品は、9月8日(日)午後2時30分からEテレで放送予定です。
■『青春舞台2019』
NHK Eテレ 9月7日(土)午後10時00分〜 午後11時00分
高校生が演劇日本一をめざして熱戦を繰り広げる全国高等学校演劇大会を紹介する青春ドキュメント。7月に鳥栖市でおこなわれた本大会のハイライトを中心に、演劇に青春をかけた高校生たちの熱い戦いに、高校演劇部出身の女優・松本穂香が迫る。屋久島の原生林伐採に心を痛め、故郷の自然を守ろうと立ち上がった青年教師の「実話」に基づいた創作劇に挑む屋久島高校演劇部にも密着。晴れ舞台で、見事、最優秀賞に輝いた高校は?
【出演】松本穂香,栃木県立小山城南高等学校,大谷高等学校,島根県立横田高等学校,鹿児島県立屋久島高等学校,佐賀県立佐賀東高等学校,帯広北高等学校,福島県立ふたば未来学園高等学校,逗子開成高等学校,埼玉県立新座柳瀬高等学校,岐阜県立長良高等学校,日本大学鶴ヶ丘高等学校,香川県立丸亀高等学校
<番組スタッフから>
【この番組を企画したきっかけ】
高校演劇部2000校の中から日本一を決める「演劇の甲子園」といわれる高校演劇全国大会。演劇に青春をかけて日本一を目指す高校生たちに、高校演劇出身の女優の松本穂香が密着しました。
なんといっても、持てる力をすべて使って全身で演じ切り、上演後、仲間と抱き合って涙する高校生の姿は感動的です。
また昔から「演劇は社会の鏡」といわれます。高校演劇には一般の演劇にはない魅力があります。高校生たちが今の社会を、世の中をどう捕えているのか、その一端を垣間見ることが出来るのも高校演劇です。
高校演劇には、高校生ならではの若い感性がほとばしっています。「東大を目指すアイドルの育成」を計画する高校生オタク達の物語(香川県立丸亀高校)や、本来しゃべることのないゾンビが自らの思いを語ることによって、人間のエゴと弱者としてのゾンビを描く(逗子開成高校)、また、震災でつらい過去を経験した演劇部員たちが自分自身を演じる群像劇(福島県立ふたば未来高校)など、全国の地区大会から勝ち上がってきた12校の舞台はそれぞれが特徴的で魅力的です。舞台に青春を懸ける高校生たちを追いました。
【制作にこだわった点、もしくは、苦労した点】
九州ブロック代表は屋久島高校演劇部。女優・松本穂香が屋久島高校を訪ね、全国大会に初出場する彼らに密着しました。演目は「ジョン・デンバーへの手紙」。高度成長期、屋久杉の大量伐採を食い止めようと奮闘した高校教師の実話を舞台化した作品です。資金のない中、伐採の様子を3年間映像に取り溜めた記録映画で全国に惨状を訴えて、屋久島が日本初の世界自然遺産となる礎をつくった物語です。題名のジョン・デンバーは「カントリー・ロード」の歌で知られる世界的なカントリー歌手です。直接彼に惨状を訴える手紙を書いたところ、彼からは無償で音楽を提供する申し出がありました。
樹齢2000年の屋久杉の原生林は島の誇りです。高校生がその島の歴史をどう演じるのか、演劇部の部室で初めて練習を見た松本穂香の目には思わず涙がこぼれます。
【印象に残った言葉】
主人公となった屋久島高校の理科教師であった大山勇作さん(75)のお宅を松本穂香が訪ねます。そこで大山さんは『2000年も生きてきた屋久杉がチェーンソーでわずか17分で切り倒されていく。大きな木が2000年も生きている木が17分で命が終わってしまう。空しくて、こんなに簡単に切っていいものだろうか。人間の勝手で』といって、ハゲ山となった1枚の写真を見せてくれました。屋久島に生まれ、屋久島の自然を愛してやまない大山さんの思いのこもった言葉です。
(プロデューサー原 正隆)
■『青春舞台2019 第65回全国高等学校演劇大会最優秀作品』
NHK Eテレ 9月8日(日)午後2時30分〜 午後3時40分
第65回全国高等学校演劇大会。全国2000校の高校演劇部の頂点を決める青春をかけた熱き夏に密着。日本一に輝いた逗子開成高等学校の舞台をノーカットで放送。
第65回全国高等学校演劇大会最優秀作品▽関東ブロック代表 逗子開成高等学校「ケチャップ・オブ・ザ・デッド」(作/飛塚周・逗子開成高等学校演劇部)
番組ページ:
https://www4.nhk.or.jp/P736/