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高橋幸宏+鈴木慶一のTHE BEATNIKS ライヴ・アルバム発売記念インタビュー公開、トークイベントのレポートも

2019/06/04 10:01掲載
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THE BEATNIKS
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高橋幸宏鈴木慶一THE BEATNIKS。ライヴ・アルバム『NIGHT OF THE BEAT GENERATION』のリリースを記念したオフィシャルインタビューが、日本コロムビアの公式サイト内にて公開されています。

■オフィシャルインタビュー特設ページ
https://columbia.jp/thebeatniks/

また日本コロムビアからは先日行われたリリース記念トークイベントのレポートも到着しています。

以下 日本コロムビアより

ザ・ビートニクスの高橋幸宏と鈴木慶一が6月2日(日)東京・新宿タワーレコードで行われたトーク・イベントに出演した。

ザ・ビートニクスはYMOの高橋幸宏とムーンライダーズの鈴木慶一のふたりが1981年に結成したユニット。同年、ファースト・アルバム「EXITENTIALISM 出口主義」を発表し不定期に活動。これまでに5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。この日は、5月22日に発売されたライブ・アルバム「NIGHT OF THE BEAT GENERATION(2018年5月11日・EX THEATER ROPPONGIにて収録)」の発売を記念して行われもの。

トーク・イベントは音楽ライターの村尾泰郎の進行で、幸宏と慶一のふたりにライブでの演奏曲やアルバム収録曲について尋ねていく。ライブの選曲方法について質問されるとこのライブではコロムビアBETTER DAYSから昨年リリースされた最新アルバム「EXITENTIALIST A XIE XIE」の楽曲を中心に新旧の曲をセレクトしたが、同作収録の「Speckled Bandages」は演奏できないね、となったそうだ。高橋幸宏に言わせれば『ビートニクスっぽいんだけど、テーマがとても重い曲なんだよねとのこと。詞は鈴木慶一だ。最初にその詞をみた幸宏は、なんて詞を書くんだろう!と思ったという。『ジャン=ルイ・トランティニャン(フランスの俳優)が認知症になった妻を殺害する映画"愛、アムール"の中に出てくるテーマとまるで同じだったので、ちょっと歌えなくて....』。『あれは老老介護の歌かな』と話す鈴木慶一の母親が、この曲を書いた後に亡くなられたそうで『歌詞を作ったり、言葉にするのがちょっと怖くなりました』。ここから話しは歌詞の創作に及ぶ。例えば幸宏のソロで慶一が詞を書く際は、まず『最近どう?』という感じでインタビューする。これがラブソングだと高橋幸宏の恋愛事情と誤解されやすいが『あれは半分以上、慶一入ってますから』と話すと、慶一も『一概にそうとは言えないよ(笑)』と返し場内を沸かせる一幕も。

中盤はアルバム「NIGHT OF THE BEAT GENERATION」に収められた曲の中からふたりが1曲づつ選び、曲を聞かせながら解説するコーナーに。先ずは高橋幸宏の1曲、DISC-1/03の「River In The Ocean」。ファースト・アルバムをリリースした直後に発表したシングルで38年前の曲だ。なんと誰が弾いてるかわからない謎の音が入ってるという。冒頭から最後まで全編に渡って聴こえる"フヨ〜ン"とした音だ。慶一が誰の音?と幸宏に尋ねたそう。幸宏もシンセの音だから多分、まりん(砂原良徳)だと思うんだけど、未だに誰が弾いてるのかわからないという。もっとも砂原本人に訊けば判るのだが、謎は謎でそのままにしておくのが、彼ららしいところ。

続いて鈴木慶一が選んだのは、DISC-1/08の「COMMON MAN」。セカンド・アルバム「EXITENTIALIST A GO GO ビートで行こう(1987)」に収められた曲慶一は当時ヒットしていたピーター・ガブリエルの「Don't Give Up」にインスパイアされて作ったという。サビ部分も同じ6/8拍子にした。当時、この曲をスタジオでミックスしていたら教授(坂本龍一)が来て、キー高けぇなあ!と言ってきた。幸宏の『教授、イチャモンつけてきたんだ(笑)』に『自分が歌うわけじゃないのにね(笑)』と返す。いかにも教授らしいエピソードに場内も大爆笑。

そして曲解説はザ・ビートニクス最大の問題作(?!) 「シェー・シェー・シェー・DA・DA・DA・Yeah・Yeah・Yeah・Ya・Ya・Ya 」に。2017年5月に恵比寿で開催された赤塚不二夫生誕80年記念「バカ田大学祭ライブ」で初披露された曲で、観客がシェー・シェーと手をクロスさせ「Yeah・Ya・Ya・Ya」と両手を広げることで知られる。会場のモニターにはフジテレビオンデマンド「PARK」で配信中の同曲のライブ映像が映し出される。作詞者の慶一によると"DA・DA・DA"は入れなきゃ良かったかと後悔してるそう。ポリスの「ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ」に寄せてると思われてしまうのが、その理由だ。元々はドイツのトリオというバンドの「Da Da Da」という曲のリズムを幸宏に提案したのがきっかけ。人気の振り付け、考案したのは慶一だ。演奏する直前の楽屋で思いついた。『生まれて初めてだよ、振り付け考えたの』と本人も困惑気味。歌詞の中には昭和の大芸人、トニー谷にインスパイアされて書かれたパートもある。そのバックにはビーチ・ボーイズ風のコーラスが入っているという怪作だ。ステージではドラムを叩いているのでシェー・シェー・ダンスには参加してない高橋幸宏は『この曲も凄い曲ですよね、訳がわからない(笑)。僕は今だにフリを覚えられないですし』と苦笑い。

ザ・ビートニクスは幸宏・慶一ふたりの声が混じりあう事で発生する化学反応も魅力のひとつ。幸宏の声はユニゾンでダブらせると、ある一定の周波数を超えた時点で女性の声のように聴こえる特徴がある。『元々違う声であって、幸宏の声は倍音がすごくある。一方、私の声はイコライジングしないと甘い声になる。そこに幸宏の倍音がある声と重なると第三者が登場するわけ』とザ・ビートニクスのハーモニーを分析する。

ふたりのトークは淡々とした口調で、折々に脱線や膨張を繰り返しながら尽きることなく続いていく。あたかも落語に出てくる長屋のご隠居さん同士の会話を聴いてるようで、実に耳に心地よい。会場も静かな熱気に包まれ、気がついたら予定時間を大幅に過ぎていたほど。

この後、高橋幸宏は8月24日にYSアリーナ八戸で開催されるWORLD HAPPINESS 2019 with HACHINOHEのキュレーターを務め、バンドとしても出演。9月8日には東京・新宿文化センターにて、鈴木慶一もゲストで参加するワンマンライブを開催。

鈴木慶一は矢口博康、佐藤優介(カメラ=万年筆)らと7月13日(土)に東京・下北沢に風知空知にてライブを開催