沢田研二&井上堯之バンド / 1974 ONE STEP FESTIVAL
1974年8月に福島県郡山で行われた<ワン・ステップ・フェスティバル>から、沢田研二&井上堯之バンド、かまやつひろし&オレンジ、内田裕也&1815ロックン・ロール・バンド、上田正樹&サウス・トゥ・サウス、外道のライヴ音源の一部が、diskunionのレーベルグループ「DIW PRODUCTS GROUP」のYouTubeチャンネルで公開されています。それぞれの演奏を収めたライヴ・アルバムはSUPER FUJI DISCSからリリースされています。
以下インフォメーションより
<ワン・ステップ・フェスティバル>
ウッドストックに触発された福島郡山の一青年が主催、仲間と共に4年がかりで作り上げ、内田裕也と石坂敬一がプロデュースを買って出て、1974年8月福島県郡山で行われた「ワン・ステップ・フェスティバル」。「街に緑を!若者に広場を!そして大きな夢を!」を合言葉に8月4日から10日まで、39組の日本ミュージシャンに加え、アメリカからはヨーコ・オノ&プラスティック・オノ・スーパー・バンドとクリス・クリストファーソン&リタ・クーリッジも参加した日本初のロック・イベントであり原点である。
■沢田研二&井上堯之バンド『1974 ONE STEP FESTIVAL』
本CDは、初日8月4日の大トリで出演した沢田研二&井上堯之バンドの演奏をMCまで漏らすことなく全て収めたもの。この年7月の日比谷野音から始まった全国縦断コンサート“ジュリー・ロッキン・ツアー'74”の最中ということもありセットリストもそれに準じたステージを展開、アンコールまで一切の手抜き無くプロ中のプロの演奏だった。発売したばかりの「追憶」や「恋は邪魔もの」「気になるお前」などのヒット曲から、内田裕也がボーカルで参加したロックンロール・スタンダードのカバーまで、予定時間をオーバーした沢田研二のロック魂溢れる全64分。当時の芸能界とまだアンダーグラウンドであったロックとの関係を知る上で最良の歴史的資料でもある。
■かまやつひろし&オレンジ『1974 ONE STEP FESTIVAL』
本CDは、4日目8月9日の大トリで出演したかまやつひろし&オレンジの演奏全てを収めたもの。バック・バンドのオレンジは、シンガー・ソングライターとして大ブレイクする山本達彦、ウォッカコリンズの横内タケ(後にTENSAWや佐野元春ハートランドに参加)、浅野孝已の弟でゴダイゴ2代目ドラマーの浅野良治、後に荒井由実のツアー・メンバーとなる石井治郎からなる。「バンバンバン」「どうにかなるさ」などヒット曲を白スーツとロッド・スチュアートばりのマイクスタンド・パフォーマンスで客席を沸かせ、また発売したばかりの吉田拓郎とのデュエット・シングル「シンシア」も披露するなど全10曲。ロック・アーティストとしてのかまやつひろし、その美学が存分に味わえる最高のライヴ・アルバムである。
■クリエイション+内田裕也『1974 ONE STEP FESTIVAL』
本CDは、8月5日に出演したクリエイションの演奏全てと最終日10日の内田裕也&1815ロックンロール・バンドの演奏6曲うち3曲を合わせたものである。
世界標準となった日本ロックを代表する名盤「CREATION」の録音を目前に控えた油の乗り切った時期の最高の演奏を聴かせてくれる。全編に渡り絶妙なコントラストを描く竹田、飯島のツイン・リード・ギターの他に、松本のベースをフィーチャーしたジャム・ナンバー(M5)や、この数年後バンドがファンキー路線になっていくその萌芽が見える樋口のハネる4分に及ぶドラム・ソロ(M7)など50分に及ぶステージ。“英語によるオリジナル・ハード・ロック”を確立された瞬間でもある。
■上田正樹&サウス・トゥ・サウス『1974 ONE STEP FESTIVAL』
本CDは、4日目8月9日に出演した上田正樹の、有山淳司とのアコースティック・セッションと、結成したばかりのサウス・トゥ・サウスにホーン・セクションを伴った大編成のバンド・セッション(サポート・ゲストに石田長生)の2部構成、そのステージをMC含め全てを収録したもの。すでに関西では注目されていたが、それ以外ではほぼ初披露という状況で、次第に熱狂の渦に巻き込んでいく凄まじい様子がこの演奏からわかる。これからブレイクしていく丁度その時期の最高のグルーヴとダイナミックなパフォーマンスは、翌75年に発売されたアルバム『この熱い魂を伝えたいんや』に満足出来なかった方々に、これがサウス・トゥ・サウスだ!と自信を持ってお勧めする最高のライブ・アルバムとなるでしょう。
■外道『1974 ONE STEP FESTIVAL』
本CDは、3日目8月8日、シュガーベイブの前に登場、お馴染みの鳥居のオブジェを後方にセットし派手な衣装とメイクでキメた加納秀人を中心に八方破れなパンキッシュな演奏で異彩を放った外道、そのパフォーマンス全てを収めたもの。翌9月にミッキー・カーティスのプロデュースでデビュー・アルバム『外道』を発表するその直前のノリにノッた演奏は、四人囃子、イエロー、サウス・トゥ・サウスなどと共にワンステップ・フェスティバルのベスト・パフォーマンスとして挙げられる。代表曲「外道」「ビュンビュン」や内田裕也賛歌の「ロックンロール・バカ」まで全10曲、最高のロック・トリオによる最高のライブ・アルバムとなった。