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アストル・ピアソラのドキュメンタリー映画『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』 本編クリップ映像公開

2018/12/09 12:36掲載(Last Update:2018/12/10 13:09)
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ピアソラ 永遠のリベルタンゴ © Juan Pupeto Mastropasqua
ピアソラ 永遠のリベルタンゴ © Juan Pupeto Mastropasqua
タンゴ界に革命を起こした20世紀の偉大な作曲家のひとり、アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)の没後25周年を記念して2017年に制作されたドキュメンタリー『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ(原題:PIAZZOLLA THE YEARS OF THE SHARK)』。本編クリップ映像が公開



名曲リベルタンゴで知られるピアソラは、バンドネオン奏者として活動しながら、伝統的なタンゴにジャズやクラシックなど異ジャンルの音楽をあえて取り入れ、独自の“ヌエヴォ・タンゴ”(新しいタンゴ)というスタイルを編み出しました。彼の楽曲は、ヨーヨー・マやクロノス・クァルテットといった音楽家にもこよなく愛され、いまだに演奏され続けています。

本作では、ピアソラ自身が自己最高の音楽形態と振り返る「ニュー・タンゴ・クインテット」時代の音楽をふんだんに使用し、様々な葛藤を抱えながらも“踊りのための伴奏音楽”といわれたタンゴを伴奏から主奏へと昇華させた、ピアソラの想像力の源と魅力に迫ります。また、制作を手掛ける息子ダニエル・ピアソラから見た〝父、アストル“の生涯という視点、ピアソラ家の貴重なアーカイヴ映像も大きな見所です。

アーティストとして、父親として葛藤するアストル・ピアソラが時代や音楽に闘いを挑んだ生き様を描き出した、息子が父に捧げるドキュメンタリー作品『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』は、12月1日より東京・Bunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。

以下は以前に公開された映像

日本版予告編映像
●『ピアソラ 永遠のリベルタンゴ』
(原題:PIAZZOLLA THE YEARS OF THE SHARK)
12/1(土)より、Bunkamura ル・シネマ他全国順次ロードショー

<インフォメーション>
アルゼンチン・タンゴに革命を起こしたアストル・ピアソラ。20世紀で最高の作曲家のひとりと評される彼の作品は、チェリストのムスティスラフ・ロストロポーヴィチやヨーヨー・マ、ピアニストのマルタ・アルゲリッチなど第一線で活躍する音楽家たちに愛されている。また、ウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』でも2曲、印象的に使用されている。タンゴの枠を超えて世界中で演奏されるピアソラの音楽は、どこから産まれたのか。没後25周年となる2017年に母国アルゼンチンで開催された回顧展にあわせ、彼の功績と家族の絆を紡いだドキュメンタリーが制作された。

 ピアソラはアルゼンチン出身の作曲家・バンドネオン奏者。アルゼンチン・タンゴの前衛派として1940年代から活躍し、踊るためのタンゴから聴くためのタンゴに転化させた先駆者で、「ロコへのバラード」「リベルタンゴ」などのヒット曲を送り出した。新しいタンゴを厳しい態度で批判するタンゴ純粋主義者やメディアと闘い、正当な評価が受けられないストレスから一時はタンゴを捨てたピアソラ。そんな彼を献身的に支えた妻と、尊敬の眼差しで見つめる子供たち。本作では、8mmフィルムで撮影された家族の日常や趣味の鮫釣りの映像を始め、ピアソラの自伝を執筆した娘のディアナが録音したピアソラへのインタビュー音声など、未公開の素材を選りすぐり、けんかっ早くてお茶目なピアソラのもうひとつの素顔に迫る。また、ツアー先などで行われた各国のインタビュー映像やライブ映像に加え、彼のタンゴを酷評する評論家と電話で口論する生々しい肉声も収録。辛く厳しい闘いの日々を想起させる。

 監督は初長編監督作『Saluzzi - rehearsal for a bandoneon and three brothers』(02・日本未公開)が、ベルリン国際映画祭でルイジ・デ・ラウレンティス賞を受賞したドキュメンタリー作家のダニエル・ローゼンフェルド。監督自身もピアノを弾き、ピアソラの音楽を愛しているが、本作制作のきっかけとなったのは、息子のダニエル・ピアソラ自身から直々に父ピアソラのドキュメンタリー製作を提案されたことだという。ダニエルは、ローゼンフェルド監督がアルゼンチンのバンドネオン奏者ディノ・サルーシを取り上げた過去作を観ていたのだ。唯一の肉親から、たっての依頼を受けた監督はプロジェクトを立ち上げ、国内外に散らばる膨大なアーカイブと、ピアソラ財団が所有する貴重な資料などをリサーチするために、4年の歳月を費やした。

 音楽はタンゴ一色だ。ピアソラ曰く「“チャン チャン”で終わる」伝統的なタンゴから、少年期のピアソラがラジオ局で弾いたたどたどしいポルカ、彼が所属したトロイロ楽団のタンゴ、物議を醸したピアソラの斬新なタンゴ、そして、アルゼンチン随一のコロン劇場でオーケストラをバックに晩年のピアソラが熱演する重厚なオーケストラ版「アディオス・ノニーノ」など、全編でタンゴが流れる。

 71歳で亡くなるまで、音楽一筋に生きたピアソラ。天才の早すぎる死を惜しみ、命を削るように作られたピアソラの名作を堪能する、傑作音楽ドキュメンタリーがここに誕生した!

監督:ダニエル・ローゼンフェルド  出演:アストル・ピアソラほか
2017 /フランス・アルゼンチン/英語・フランス語・スペイン語/カラー(一部モノクロ)/ 94分
配給:東北新社 クラシカ・ジャパン/国際共同製作:クラシカ・ジャパン
後援:アルゼンチン共和国大使館

【公式サイト】https://piazzolla-movie.jp/