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刹那的な映像美学を追求した監督・鈴木清順の素顔 書籍『そんなことはもう忘れたよ 鈴木清順閑話集』発売

2018/07/13 19:32掲載
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そんなことはもう忘れたよ 鈴木清順閑話集
そんなことはもう忘れたよ 鈴木清順閑話集
刹那的な映像美学を追求した監督・鈴木清順の素顔。書籍『そんなことはもう忘れたよ 鈴木清順閑話集』がSPACE SHOWER BOOKSから7月27日発売。

2017年に93歳で逝去した日本映画界の巨人・鈴木清順。約20年にわたり親交を深めるなかで撮影された100点近くの写真と、なにげない日々の言葉、47歳離れた妻が初めて語る“夫・鈴木清順”ほか、出演者や映画関係者たちのインタビュー、幻の遺作『蜜のあはれ』の貴重なシナリオを収録。

「子供時代の思い出」「初恋」「戦争体験」「日活解雇」「夫婦」……ユーモアと鋭い観察眼が滲む独特の言葉とともに切り取った、鬼才と呼ばれた男の、あたりまえのとある日常の記録。
●『そんなことはもう忘れたよ 鈴木清順閑話集』
写真:本多晃子
文 :八幡薫
定価:本体:2200 円+税
仕様:A5 判 / 並製 /208 頁 / フルカラー
発売:2018 年 7 月 27 日(金)
ISBN:978-4-909087-19-5
発行:スペースシャワーネットワーク

この男、好々但にしてアングラ! ―― 大和屋暁(脚本家)
唯一無二の存在の言霊がサラリと深く響いてくる ―― 永瀬正敏(俳優)

【目次】
◆はじめに
◆飄々と鈴木清順かく語る
 地震/芭蕉と俳句/子供時代/銭湯と初恋/戦争/映画/
 日活解雇〜空白の 10 年/蜜のあはれと引退宣言/死
◆米寿祝い
◆夫婦
◆On the day 本多晃子が綴る「その日」の風景
◆Interview それぞれの鈴木清順
 野呂圭介/韓英恵/葛生雅美/鈴木崇子
◆幻の遺作 鈴木清順 脚本『蜜のあはれ』
◆おわりに

◆鈴木清順(すずき せいじゅん)
1923 年東京都生まれ。本名・清太郎。1948 年旧制弘前高等学校卒業後、松竹大船撮影所入社。54 年に日活に移籍し、56 年『港の乾杯 勝利をわが手に』でデビュー。その後、『肉体の門』『刺青一代』『けんかえれじい』など、数々の作品を手掛ける。1967 年に公開された宍戸錠主演『殺しの烙印』が、「わけのわからない映画」と日活社長・堀久作の不興を買い、翌年一方的に解雇され、裁判に。10 年の沈黙を経て、1977 年『悲愁物語』で映画界に復帰。1980 年『ツィゴイネルワイゼン』が大きな反響を呼び、続く 81 年『陽炎座』、91 年『夢二』と共に浪漫三部作として高い評価を得る。90 年に紫綬褒章受章。その独特の色彩感覚と映像美は「清順美学」と呼ばれ、現在もなお、世界中の映画ファンを魅了し続けている。プライベートでは、1997 年に 47 年間連れ添った妻と死別。2008 年、本書に登場する妻・崇子と再婚。2017 年 2 月 13 日、慢性閉塞性肺疾患のため都内の病院にて死去。93 歳。2011 年には新作として室生犀星原作『蜜のあはれ』映画化の準備を進めていたが、叶わなかった。

【著者プロフィール】
◆本多晃子(ほんだ あきこ)
フリーフォトグラファー。北海道生まれ。主にエンタテインメント系、ポートレイト撮影を中心に、雑誌他で活動中。人物撮影を得意とする。2001 年に鈴木清順監督の『ピストルオペラ』のスチール撮影を行う。

◆八幡薫(やはた かおる)
ライター。東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社に勤務し、国語教科書やサブカル雑誌の編集に携わった後、93 年よりフリー。映画誌などで、インタビュー、映画評などを執筆。