「スイングジャーナル」編集長、ラジオパーソナリティ、プロデュース、未発表音源発掘などあらゆる面でジャズに携わってきた、ジャズ評論界の第一人者・児山紀芳がジャズ史を証言。回顧録『ジャズのことばかり考えてきた』が白水社から7月14日発売。ジャズシーンの興隆、名演誕生にまつわるエピソード多数掲載。
■『ジャズのことばかり考えてきた』
著者:児山紀芳
ISBN:9784560096437
判型・ページ数:4-6・272ページ
定価:本体3,000円+税
<内容説明>
世界のジャズ史にかかわった立役者の回顧録
「スイングジャーナル」編集長、ラジオパーソナリティ、プロデュース、未発表音源発掘などあらゆる面でジャズに携わってきた、ジャズ評論界の第一人者がジャズ史を証言する。
1960年代、まだレコード会社にすらジャズ市場のノウハウがない頃、著者は「スイングジャーナル選定ゴールドディスク」を企画し、名盤を紹介するとともにレコード会社とタイアップしてリリース。ここからジャズ市場が確立していった。また、専門雑誌としては前例のない海外取材を敢行。「リターン・トゥ・フォーエヴァー」結成の経緯を世界に先がけて特集するなど、数々のジャズジャイアンツの肉声を日本のファンに届けた。80年代にはプロデューサーとして活躍し、ヘレン・メリルやジョン・ルイスらの音源を日本から世界へ発信した。これら著者の数々の活動に、ジャズシーンの興隆にはミュージシャンとリスナーをつなぐ存在がいたとうなずかされる。
ソニー・ロリンズの苦悩を見た瞬間、薬物中毒で治療中のアート・ペッパーが海岸で聞かせてくれたサックスの音色、自分だけが聴くことを許されたハービー・ハンコックのリハーサルなど、読めば聴きたくなる逸話も多数。
<著者略歴>
児山紀芳(こやま・きよし)
ジャズ評論家。1936年大阪生まれ。関西大学文学部英文科卒。「スイングジャーナル」誌編集長を2期17年にわたってつとめ、秋吉敏子、ヘレン・メリル、ソニー・ロリンズ、マイルス・デイヴィス、ジョン・ルイスなど国内外の多くのミュージシャンと親交を結ぶ。80年代には米レコード会社のマスターテープ保管庫から未発表音源を発掘、「キーノート・コンプリート・コレクション」、「ブラウニー:コンプリート・クリフォード・ブラウン・オン・エマーシー」でグラミー賞の「ベストヒストリカルアルバム部門」に2度ノミネート。米「ダウンビート」誌が行う国際批評家投票に唯一の日本人として投票に参加。NHK-FMの歴代のジャズ番組のパーソナリティを担当し、現在も「ジャズ・トゥナイト」を担当。