『レコード・コレクターズ1月号』の特集は「ザ・ローリング・ストーンズ『オン・エア』」。アルバム『オン・エア』を核に、彼らのラジオ放送用録音の記録を検証、当時の音楽番組についての概説も併せて紹介しています。また「イーグルス『ホテル・カリフォルニア」「クイーン『世界に捧ぐ』」「エヴリシング・バット・ザ・ガール」の特集もあり。12月15日発売
●『レコード・コレクターズ2018年1月号』
【特集】 ザ・ローリング・ストーンズ『オン・エア』
英国放送協会(BBC)に残されたローリング・ストーンズの録音が、遂に公式リリースされました。ビートルズ、デイヴィッド・ボウイ、ザ・フー、レッド・ツェッペリンといった大物アーティストのBBC音源が次々とアルバム化される中で取り残された感があっただけに、待望の登場です。収録時期は1963〜65年、「カム・オン」でレコード・デビューを果たした直後からの進化の過程を“素の姿”で捉えた必聴の内容と言えるでしょう。シングル/アルバム用の正式録音がない曲、もしくは未発売だった曲を含む点も見逃せません。そのアルバム『オン・エア』を核に、彼らのラジオ放送用録音の記録を検証、当時の音楽番組についての概説も併せてお届けいたします。
■ 放送用録音がダイレクトに伝える、バンドの実像と成長の記録(大鷹俊一)
■ 『オン・エア(デラックス)』全曲ガイド(佐藤三十郎)
■ 発掘音源の定番ソース──BBC録音とはいかなるものか(犬伏功)
■ 60年代全ラジオ放送用セッション/ライヴ解説(犬伏功)
■ 活動最初期のテレビ・メディア出演記録を追う(赤岩和美)
【特集】 イーグルス『ホテル・カリフォルニア』
バンド自身、そして音楽産業の急激な巨大化の最中にリリースされた『ホテル・カリフォルニア』。このアルバムには、建国200年を祝うアメリカの喧騒と、その陰で蔓延していた頽廃や憂鬱が刻み込まれており、その深みこそが、本作品を長く愛される名盤たらしめている理由でしょう。発表40周年を記念しリリースされた拡張版をきっかけに、ギリギリのバランスで疾走していた1976年前後のイーグルスを振り返り、歴史的作品の価値を再確認します。
■ 不滅の金字塔に焼き付いたウェスト・コーストの光と影(近藤正義)
■ 鉄壁のハーモニーにツイン・ギターを組み合わせた鮮烈なアンサンブル(青山陽一)
■ 建国200年を迎えたアメリカへのメッセージ──歌詞に込められた時代の閉塞感(五十嵐正)
■ 『ホテル・カリフォルニア』全曲ガイド(北中正和)
■ 『ホテル・カリフォルニア』40周年記念エディション解説(遠藤哲夫)
■ フランク・オーシャン──退廃と虚無感を“引用”したR&Bシンガー(長谷川町蔵)
【特集】 クイーン『世界に捧ぐ』
セックス・ピストルズの登場でパンク・ロックが一大ムーヴメントとなっていた1977年。パンクスにとっての仮想敵でもあったクイーンがその年に発表した『世界に捧ぐ』は、パンク勢も蹴散らすほどの激しさを備えていました。さらに「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」という冒頭2曲は、スポーツ・イヴェントなどで“アンセム”となり、クイーンは国民的バンドの地位を固めていきます。意外にも彼らにとっては初となるボックス『世界に捧ぐ:40周年記念スーパー・デラックス・エディション』の内容にもじっくりと迫っていきます。
■ 女王即位25周年に水を差すパンク勢も度肝を抜かれた『世界に捧ぐ』のインパクト(山崎智之)
■ 2大アンセム「伝説のチャンピオン/ウィ・ウィル・ロック・ユー」現象を探る(安田謙一)
■ 『世界に捧ぐ』全曲ガイド(松井巧)
■ 『世界に捧ぐ:40周年記念スーパー・デラックス・エディション』解説(芳賀崇)
【特集】 エヴリシング・バット・ザ・ガール
トレイシー・ソーンとベン・ワットによるユニット、エヴリシング・バット・ザ・ガールは、1980年代前半にポスト・パンク的な流れから登場し、新しい傾向を持ったポップ・グループとして脚光を浴びました。99年には解散してしまいましたが、公私ともにパートナーとなった二人は、その後もクラブ・ミュージックの周辺で活動したり、久々にソロを発表したりと近年も話題は絶えません。初期のアルバムがリイシューされるこの機会に、根強い人気を持つ彼らの歩みを改めて辿ります。
■ ポスト・パンク時代らしい反抗精神と豊かな音楽性を両立させた希有なグループ(池上尚志)
■ エヴリシング・バット・ザ・ガール・ディスコグラフィー〜オリジナル・アルバム/ソロ・アルバムほか(油納将志)
□ ザ・ビートルズ
生身の4人がリアルに迫るクリスマス・レコードと、遂に公式リイシューが実現したピクチャー・ディスク(藤本国彦)
グラフィック・ステーション──『クリスマス・レコード』と『サージェント・ペパーズ』ピクチャー・ディスクのオリジナル盤
□ サンタナ『ロータスの伝説』
横尾忠則による22面体ジャケットと米モービル・フィデリティの高音質カッティングが融合した重量盤LP(武田昭彦)
□ アラン・パーソンズ・プロジェクト
ポップ路線に舵を切って成功を得た代表作『アイ・イン・ザ・スカイ』の35周年記念盤(若月眞人)
□ ロニー・モントローズ
没後5年を経た遺作『10×10』と共に“米国版ジェフ・ベック”の異色のキャリアを振り返る(杉原徹彦)
□ オーティス・レディング
スタックス60周年/没後50年を記念して5タイトル+DVDがリイシュー(出田圭)
□ ビー・ジーズ
オーストラリア時代の初期音源をマスター・テープからリマスターした日本企画盤が登場(中村彰秀)
□ キング・クリムゾン
8人体制となり第4の頂点へ突き進むバンドの深化と変容を記録した強力なライヴ盤(石川真一)
□ ピストンズ『JOE MEEK』
英国の奇才プロデューサーを題材にした舞台(犬伏功)
□ ラニー・シンクレア
マニアの間で語り継がれてきた音源の集成盤(渡辺亨)
□ イエス
80年作『ドラマ』の完全再現も話題となった最新ライヴ盤(舩曳将仁)
ほか