Bob Dylan photo by William Claxton
ボブ・ディラン(Bob Dylan)の公式サイトに掲載されている最新ロング・インタビューの全文翻訳がディラン日本公式サイトにて公開されています
以下、インフォメーションより
最新作『トリプリケート』を3月31日全世界同時発売するボブ・ディランが、The Official Bob Dylan Siteにて最新のロング・インタビュー公開。ディラン研究の第一人者で評論家のビル・フラナガンによるインタビューの一問一答、全文を完全翻訳したものがディラン日本公式サイトで公開された。最新作『トリプリケート』収録曲の話を縦軸にしながら、制作秘話のみならず、カバー曲の背景、シナトラとの関係、故郷のミネソタでの事、最近気に入っているCDなどを実に雄弁に多岐に渡って語っており、近年インタビューがほとんど存在しないディランが、これほどまでに語ったものは非常に珍しく、歴史的にも貴重な内容といえる。新作『トリプリケート』は、3枚の各ディスクにそれぞれ10曲収録し、それぞれが32分という長さになっているのだが、あえてこだわってそうしたのか?という質問に対しては「もちろんだ。完成を意味する数字だ。ラッキーナンバー、光を象徴する数字」と意味深なコメントを語っている。
興味深いインタビューの中より、一部抜粋すると・・・
アメリカン・スタンダードを歌う事で教えられた事を以下の様に語る。
「自分なりに曲が意味することを少しはわかっているつもりだった。だが、そこに込められた人生の本質や人間の有りようがこれほどだったとは気づいていなかった。歌詞とメロディがこれほど完璧なまでに絡み合い、今の時代にも意味を持ち、非物質的なことを歌っているか、気づかされたよ。」
新作『トリプリケート』はディスク毎にタイトルが付けられており、それに対しては次のように。
「テーマは最初に決めた。演劇的な感覚で、まずは大きなテーマがあり、それぞれが生存者や愛人、英知とか復讐、追放といったことに付随する。ディスクは1枚ごとが次に来る1枚の前触れ。ただしディスク内ではどの1曲も優位に立つことはない。昔の女房の話や思い出話ではなく、もっと堅実な世間の暮らしとそこに隠された現実だ、と認識してるよ」
シナトラへのトリビュート企画では?と言う問いに対して。
「ああ、知っていた。でも他にも大勢が歌っていた曲だ。たまたま、彼のバージョンがベストだったというだけでね。レコーディングの時は、シナトラなんていう名前すら知らない、彼が存在していることも知らない、と自分に思い込ませねばならなかった。彼は入り口まで、道を示してくれて、先導してくれるかもしれないが、そこから先は自分1人きりなのだから。」
3年間で52曲のアメリカン・スタンダードを歌ったが、その事が今後の自作曲に影響を与えるか?
「それは疑わしいね。これらのメロディは音楽論に基づいて構成されている。拍子はトリッキーだし、メロディも私なんかの想像を越える変化に富んでいる。その世界になじみがない限り、影響を受けるのは難しいだろう。メロディやフレーズの一部に影響を受けるのがせいぜいだろう。歌詞面で影響を受けることはないと思うよ。」
そしてジョーン・バエズについて。
「彼女は別格だった。受け入れるには、トゥマッチだというくらいに。その声はまさに古代ギリシャの島から聞こえてくるセイレーンのようで、その音色だけで呪文にかかってしまう。本当に魅力的な女性だった。(ギリシャ神話の)オデュッセウスのように船のマストに身を縛り付け、耳栓をして歌声が聞こえないようにしなければならない。自分が何者であるかを忘れさせてしまう女性だった。」
音楽はCDで聴いており最近のお気に入りは。
「イギー・ポップの『Apres』は良かったね。イメルダ・メイ、彼女は好きだよ。ヴァレリー・ジューン、ステレオフォニックス。ウィリー・ネルソンとノラ・ジョーンズのアルバム、ウィントン・マルサリスが入ってるやつ、レイ・チャールズのトリビュート・レコード、エイミー・ワインハウスの遺作も好きだった。」
などなど、大変興味深いボブ・ディラン最新インタビューの全文翻訳(なんと23,000字超え!)はこちらから
http://www.sonymusic.co.jp/artist/BobDylan/info/480087