ソ連では1940〜50年代、発売が禁止されていた西側諸国のジャズやロックンロールなどのレコードを、通常のポリ塩化ビニルではなく、使用済みのレントゲン写真に密かにプレス。ハンガリーから始まったというこの技術を使って、数多く「レントゲン写真レコード」が作られています。この「レントゲン写真レコード」の歴史をテーマにしたドキュメンタリー映像『X-Ray Audio: The Documentary』が公開。アナログ・レコードに特化したサービス&販売を行う英国The Vinyl Factoryトが製作しています。
このドキュメンタリーは、「レントゲン写真レコード」の歴史を1冊にまとめた書籍『X Ray Audio』の出版に関連したプロジェクトのひとつ。
本にまとめたのは英国人男性のスティーヴン・コーツで、彼はドキュメンタリーのコンセプト/ライティングも担当しています。
数年前にロシアのサンクトペテルブルクに立ち寄った彼はフリーマーケットで「レントゲン写真レコード」を偶然発見。「レコード? レントゲン写真?」と疑問に思った彼はそれを手に取り「両方なのか」と驚いたそうです。それがキッカケに「レントゲン写真レコード」に魅せられていったようです。
本は「レントゲン写真レコード」の写真を中心に、関係者のインタビューなども掲載されています。ページ・サンプルやプロモーション映像あり。
なお、「レントゲン写真レコード」では医療廃棄物として処分されたレントゲン写真を使用。当時の関係者によれば、写真はネイル用のはさみを使用して直径23〜25センチの円盤にカット、真ん中の穴はタバコで焦がして作ったようです。
●書籍『X Ray Audio』公式サイト
http://www.x-rayaudio.squarespace.com/