レコード・コレクターズ2016年1月号の特集は、歴史的な名盤3枚を残した1965〜66年のレコーディングの様子を捉えたオフィシャル・ブートレグ・シリーズの最新作にあわせ「ボブ・ディラン 1965-1966」。また、もうひとつの特集は「ブルース・スプリングスティーン『ザ・リバー』」
●『レコード・コレクターズ2016年1月号』
【特集】 ボブ・ディラン 1965-1966
ボブ・ディランの“ブートレッグ・シリーズ"の最新作は、歴史的な名盤3枚を残した1965~66年のレコーディングの様子を捉えた6枚組です。『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』『追憶のハイウェイ61』『ブロンド・オン・ブロンド』という、フォーク・ファンから賛否両論を呼んだバンド編成で演奏し始めたアルバムと、「ライク・ア・ローリング・ストーン」という大ヒット曲も残されたこの時期は、ディランの歴史の中でも最も充実した活動が繰り広げられたことで知られています。マイク・ブルームフィールドやアル・クーパーらが参加したその「ライク・ア・ローリング・ストーン」は、ディスク1枚まるごとを使って制作過程を伝えるものとなっています。全盛期のディランのスタジオに潜入するようなスリルを味わえるボックスの登場です。
■ 『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム』のオリジナル盤ほか
『追憶のハイウェイ61』のオリジナル盤ほか
『ブロンド・オン・ブロンド』のオリジナル盤ほか
アメリカ盤シングル
日本盤シングルほか
■ 特別対談~セッション性がすごく高くて、その瞬発力がこういう作品を生んだと感じました(高田漣 × おおはた雄一、構成=矢川俊介)
■ ロックンロールとポップ・カルチャーの未来を変えた濃密な2年間(五十嵐正)
■ ボブ・ディラン 1965-1966 アルバム・ガイド(青山陽一)
■ 『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966』クロス・レヴュー(小出斉、鈴木カツ、東京ボブ、和久井光司)
■ セッション参加ミュージシャン名鑑(中村彰秀)
ほか
【特集】 ブルース・スプリングスティーン『ザ・リバー』
4枚目のアルバム『闇に吠える街』 (1978年)をリリースしたブルース・スプリングスティーンは、翌年に13曲入りの『ザ・タイズ・ザット・バインド』を一度は完成させます。しかし、スプリングスティーンはその内容が「ポップすぎる」という理由から、発売を見送るのでした。自分と社会を見つめ直したボスはレコーディングを続け、ポップさとシリアスさが同居したバランスの良い傑作、2枚組の『ザ・リバー』を発表します。折しも時は、イラン・アメリカ大使館人質事件やソ連のアフガニスタン侵攻、前年から続く不況によってアメリカが揺れた1980年。この時期に、スプリングスティーンはアメリカの社会をどのように描いたのでしょうか。『ザ・リバー・ボックス』を中心に、検証していきます。
■ 過酷な現実を物語に変えて初の全米1位を獲得した『ザ・リバー』(赤尾美香)
■ 相反する理念をひとしく抱擁しながら渡り行くボスの歌(大和田俊之)
■ 『ザ・リバー』全曲ガイド(安田謙一)
■ 質量ともに圧倒的な『ザ・リバー・ボックス』驚愕の全容(萩原健太)
ほか