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『ブラックモアの真実 3』出版記念 <梶山 章×広瀬和生 ライブ&トーク・イベント>のリポートが到着 

2015/12/02 15:40掲載
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梶山 章×広瀬和生 ライブ&トーク・イベント
梶山 章×広瀬和生 ライブ&トーク・イベント
リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)の真実を解き明かす書籍の第3弾『ブラックモアの真実 3』の出版を記念して開催された<梶山 章×広瀬和生 ライブ&トーク・イベント>のリポートが到着。

BURRN!編集長・広瀬和生が、ジョー・リン・ターナーやグレン・ヒューズとの共演で知られるギタリスト梶山章を迎えて行った ライブ&トーク・イベントのリポートです。

以下、シンコ-ミュージックより

11月30日dues新宿に於いて「ブラックモアの真実3」の発刊記念イベントが行われた。

今回はジョー・リン・ターナーやグレン・ヒューズとの共演で知られるギタリスト梶山章氏を迎え、トークの他にアコースティック・ギターでRAINBOW/DEEP PURPLEの名曲をプレイするというスペシャルなイベント。ヴォーカルにはAKIRA KAJIYAMA PROJECTの藤井重樹氏が参加し、予定を超えての熱演・熱唱に場内は拍手と歓声に包まれた。

広瀬:今日は「ブラックモアの真実3」のトーク・イベントなんですが、来れなかった人は本当に損したと思いますよ。トークはほとんどせずに大部分が演奏ですから(笑)。(場内驚きの拍手)ではさっそく梶山 章さんに登場していただきたいと思います。
梶山:お招きいただきありがとうございます。
広瀬:楽屋でもずっとギターを弾いてましたけど、梶山さん本当にディープ・パープル好きですね。
梶山:いわゆる"青春"ってやつです(笑)。パープルを意識して聞いたのは中学の頃友だちから借りた『24カラット』の「スピード・キング」。これがすべての間違いの始まりですね(笑)。他には「ハイウェイ・スター」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」辺り。
広瀬:リッチー・ブラックモアというギタリストについてはどう思ってました?
梶山:ギター買った当時は意識してなかったんですけど、昔"ツエッペリン派""ディープ・パープル派"というのがあって、そういうのは関係なしに僕はストラトキャスターを買ったんですよ。そうしたら友だちが"お前ストラト持っとるんやったらリッチー・ブラックモアやらなアカンで"って(笑)。貸してくれた本に"リッチーはネックの指板を削っている"って書いてあったので、その通りやったりしました(笑)。
広瀬:ここでAKIRA KAJIYAMA PROJECTの藤井重樹さんに参加していただこうと思います。ほんとうにめちゃめちゃ上手いヴォーカリストです。
藤井:ハードル上げますね(笑)
広瀬:藤井さんはどの辺りからロックを聞きはじめたんですか?
藤井:ちょうどBURRN!が創刊された(笑)、84年頃からナイトレンジャーとかオジー・オズボーン等をトップ40で聞いたのが最初ですね。
広瀬:では、まずディープ・パープルの曲をやっていただこうと思います

ここで、第1期から「ハッシュ」、続いて第2期の「スピード・キング」「チャイルド・イン・タイム」が、ハード&超絶テクのアコースティック・ギター&驚異のハイトーン・ヴォーカルという組み合わせで演奏された。

広瀬:ありがとうございます。
藤井:いやあ、普通アコースティックで「スピード・キング」やりますか?(笑)
広瀬:梶山さんの選曲、ヘンですよね(笑)。それにしても藤井さん、今すぐディープ・パープルに入った方がいいんじゃないですか(笑)。
藤井:(笑)。
広瀬:僕がリッチーを好きになった頃、ちょうどパープルを辞めてレインボーを作るんですけど、梶山さんにとってレインボーはどうでした?
梶山:やっぱり友だちから言われて。
広瀬:"聞かなあかんで"と(笑)。今でこそロニー・ジェイムス・ディオって偉大な伝説のヴォーカリストになってますけど、あの当時、イアン・ギランやデイヴィッド・カヴァデール、グレン・ヒューズに比べると「こいつかよ?」的なムードもあったし、レインボーのファースト・アルバムってのんびりした曲が多くて、当時パープルのファンにはイマイチ物足りない感もあったみたいですけど、レインボーってパープルに比べてメロディアスで、今考えるとリッチーの本質的な面が出てるのはこちらかなと思うんです。
梶山:僕が聞いたのは「キル・ザ・キング」の辺りですね。
広瀬:来年は僕が企画した「1977年のミュンヘンのライヴを再現する」虹伝説のライヴがありますが、梶山さんにとってのレインボーは?
梶山:動くリッチーを初めて見たのがミュンヘンのレインボーですからね。NHKの『ヤング・ミュージック・ショー』(78年5月放送)。当時録画とかできなかったんで、テレビの前にラジカセを置いて録音して、そのテープを何回も何回も聞いてました。
広瀬:リッチーのカッコ良さも抜群でしたよね。コージーもロニーも一番カッコ良かった頃で。…ではレインボーの曲をお願いします。

クラシカル&メロディアスな「虹をつかもう」、アコギでハードな世界を再現した「ドゥー・ユー・クローズ・ユア・アイズ」が演奏された。

広瀬:ミュンヘンのライヴで「ドゥー・ユー・クローズ・ユア・アイズ」をやった時、ロニーが"リッチーはここでギターを壊すだろう"って楽屋で休んでいたら、そのまま曲を続けたので慌ててタバコを吸ったままステージに出てきた…というエピソードが印象深い曲ですね(笑)。藤井さんの歌は録音してキャンディス・ナイトに送っときましょうか(笑)。
藤井:いやいやいや(笑)。
広瀬:(笑)。では、もう1曲お願いします。

レインボーのファースト・アルバム『銀嶺の覇者』からの「ステイル・アイム・サッド」。

広瀬:コージー・パウエルのドラム・ソロがない「ステイル・アイム・サッド」でした(笑)。レインボーからロニーが辞めた時、後任のグラハム・ボネットが短髪で驚いたんですけど、あれはリッチーも不満だったわけですよね。なのに、来年リッチーがレインボーやパープルの曲をやる時のヴォーカリストが公表されましたけど、そのロニー・ロメロというシンガー、短髪でヒゲですよ! リッチー、あれ大丈夫なのかな?と思って(笑)。梶山さんは自分のバンドのヴォーカルの髪の毛の長さとか重視しました?
梶山:僕って言うか、昔のジャパメタの時代はそういう傾向ありましたよね、みんな。スタジオのメンバー募集にも"デブ、短髪禁止"とか書いてあったりしましたから(笑)。
広瀬:では、グラハム・ボネット時代の曲を何曲かお願いしたいと思います。
藤井:ちょうど短髪なんで(笑)。

4枚目のアルバム『ダウン・トゥ・アース』からメロディックかつ流麗なソロを聞かせる「アイズ・オブ・ザ・ワールド」、シングルでも大ヒットした明るくポップな「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」が演奏され、場内からは手拍子も起こった。

広瀬:やっぱりこれはいい曲ですよね。
梶山:名曲ですね。
広瀬:盛り上がったところで、本来はもう時間なのですが、梶山 章といえばジョー・リン・ターナー期を無視するわけにはいかない。リッチーのコピーをしている人はたくさんいますが、ジョー・リン・ターナー、グレン・ヒューズというリッチーの元メンバーと一緒にアルバムを作った数少ないギタリストの1人ですからね、梶山さんは。ところで、「ブラックモアの真実」シリーズを読んでいただいて、どう思われました?
梶山:正直、リッチー・ブラックモアのインタビューってこの単行本シリーズで初めて読んだんですよ。で、僕個人と共通するところが非常に多いかな…と感じました。
広瀬:ヘンな人ってことですか?(笑)
梶山:いや、あのね(笑)、子どもの頃から"あんたはちゃんとしたことが出来ん子やね!"って言われ続けてて、学校へ行っても音楽のことで頭がいっぱいで勉強についていけず…。
広瀬:リッチーに自分と共通するものを感じるな、と。
梶山:ていうか、すごく救われました。
広瀬:自分もこのままでいいんだ!と。
梶山:そうですね(笑)。
広瀬:ではジョー・リン・ターナーの頃の曲を時間の許す限り、お願いします。

ジョー・リン・ターナーになって初のアルバム『ストリート・オブ・ドリームス』からアコースティックにアレンジされたミディアム・バラード「ストリート・オブ・ドリームス」、ハイ・トーン・ヴォーカルが本家より切ない「キャント・レット・ユー・ゴー」が演奏された。

広瀬:ジョーといえば、梶山さんは一緒に曲も作ってますよね。藤井さんもAKIRA KAJIYAMA PROJECTで歌う予定とかは?
藤井:あるんじゃないでしょうか。
広瀬:ジョーと一緒に作ったアルバム『ファイアー・ウィズアウト・フレーム』もありますが、梶山さんがジョーのソロ・アルバムに提供した中でも僕が一番好きな曲のひとつを歌っていただきたいなと。ジョーにも日本ツアーの時、いつも"やってくれ"って言うんですけど。
梶山:僕がジョーのソロ・アルバム『ホーリーマン』に参加した時、初めてのソロ来日があったんですけど、直前にジョーは海外のクラシック・ロック系のフェスでグレン・ヒューズと仲良くなったらしく、一緒に日本に来たんです。それで、ライヴでは当然ヒューズ師匠も"俺の曲もやらせろ"と…。
広瀬:パープルの曲が増えて、ジョーのソロの曲が脇に追いやられた(笑)。
梶山:ヒューズ・ソロ・タイムみたいなのも出来たし、そのうえ、ジョーとグレンが名古屋のライヴの楽屋で、"ライヴ長過ぎるよな、曲カットしようぜ""じゃあAKIRAの曲カット"って言い始めて(笑)。
広瀬:という思い出深い(笑)曲を聞いていただきましょう。

ジョーと梶山のオリジナル曲「エニシング」を藤井がエモーショナルに歌い上げた。

広瀬:というわけで、時間を大幅にオーバーして(笑)予定していた11曲を全部やっていただきました。AKIRA KAJIYAMA PROJECTの藤井さん、どうもありがとうございました!
藤井:ありがとうございました。(藤井氏退出)
広瀬:今日は全部アコースティックでしたけど、梶山さんはアコースティック・ギターでリッチーの曲を弾くというのは、家でもよくやってるんですか?
梶山:一切やりません。
広瀬:どうですか、今回やってみて。
梶山:やっぱりアレンジというか…本来アコースティックには向いてないですね(笑)。でもそこを曲のイメージを変えることなく僕流で、というチャレンジが出来たので、今回はとても楽しかったです。
広瀬:いやぁすごく良かったですよ。良かったですよね(場内大拍手)。来年はAKIRA KAJIYAMA PROJECTと虹伝説とかいろいろとありますが。
梶山:藤井くんと一緒にやるAKIRA KAJIYAMA PROJECTの初めてのライヴを1月9日東京・目黒鹿鳴館でやるのと、久々の虹伝説を3月5日東京・原宿アストロホール、6日大阪・心斎橋somaでやります。
広瀬:こちらは下山武徳[vo]、本間大嗣[ds]、永川敏郎[key]、長谷川淳[b]という編成で。下山君と本間さんは初参加ですね。僕も観に行きます。
梶山:プロデューサー来ないとダメでしょう(笑)
広瀬:(笑)。ミュンヘン再現だけじゃ曲数は少ないので、プラス・アルファも用意してありますので、ぜひ多くの人に来ていただきたいです。今日はどうもありがとうございました。
梶山:どうもありがとうございました。

この後、梶山氏、広瀬編集長のサイン会が行われた。
●『ブラックモアの真実 3』
B6判/304頁/本体価格2,000円+税/発売中
ISBN:978-4-401-64221-2