ジャズサックス・プレイヤーの
渡辺貞夫が、ブラジル音楽を通じた文化交流の功績によってブラジル政府から勲章を受章。この勲章「リオ ブランコ国家勲章」は、日本とブラジルの外交交流の功績を認められた人物に贈られる、ブラジル政府が認める最高勲章のひとつ。
以下、プレスリリースより
ジャズ・サックス・プレイヤー、渡辺貞夫が、ブラジル最高勲章の一つ『リオ ブランコ国家勲章』を受章し、11月19日、東京・駐日ブラジル大使公邸で行われた叙勲セレモニーに出席し、駐日アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使より勲章を授与された。
過去には小野リサや坂本龍一なども受章してきたこの勲章は、日本とブラジルの外交交流の功績を認められた人物に贈られる、ブラジル政府が認める最高勲章の1つ。
小野リサや世界的なジャズ・ギタリスト、リー・リトナーらがお祝いに駆けつけるなか、ブラジル大使から勲記及び勲章が贈呈された。
渡辺貞夫は1965年にブラジル音楽に触れ、1968年には初めてブラジルを訪れレコーディングを行う。
それ以来、約50年の永きに亘り、ブラジルの音楽を取り入れた作品を日本の多くの人々に伝えた功績は大きい。
ブラジル大使のアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ氏は渡辺貞夫の功績について、「今年は日本との国交樹立した120周年でありブラジル大統領がこの授勲を決定した意義は深い。リオ ブランコ国家勲章はブラジル外交の中興の祖であるリオ ブランコ男爵を冠した勲章。渡辺貞夫は1967年に『ボサノバ67』を発表し、日本でボサノヴァ・ブームをつくり、そのアルバムは日本に於けるブラジル音楽の記念碑的なアルバムになりました。
今までに渡辺貞夫が発表した70枚以上のアルバムの中でブラジル音楽を取り上げたアルバムは13枚ありあます。
カエターノ・ヴェローゾ、トッキーニョ、オロドゥンらとのコラボレーションや最新アルバム『ナチュラリー』ではリオデジャネイロでジャキス・モレレンバウムとアルバムを作るなど、ブラジル音楽を世界中に紹介しました。日本とブラジルの文化交流に常に大きな貢献をされました。」と語った。
渡辺貞夫は自身のブラジルとの関わりについて「1968年にニューポートジャズフェスティヴァルの帰りに立ち寄った、小野リサさんの父親である小野俊郎さんが経営するサンパウロのクラブで、3週間近く地元のミュージシャンとセッション演奏が印象深かった。ブラジジル音楽、ブラジルの人々が好きになったきっかけだった。来月のブラジルのミュージシャンらとの公演も楽しみ」ともコメントする。
セレモニーの最後には、ブラジル第二の国歌とも言われているピシンギーニャ作曲の「カリニョーゾ」とジョビン作曲の「ポル・トダ・ア・ミニャ・ヴィーダ」をサックスのアカペラで2曲披露した。
●握手を交わすブラジル大使と渡辺貞夫
<コンサート情報>
●Sadao Watanabe Naturally
12月4日 京都コンサートホール
12月6日 兵庫県立芸術文化センター
12月8日 横浜関内ホール
12月9日 常陸太田市民交流センター パルティホール
12月11日 静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ
12月12日 文化村オーチャードホール
<プロフィール>
渡辺 貞夫Sadao Watanabe (Alto Saxophone)
1933年宇都宮生まれ。18歳で上京後、秋吉敏子のコージー・カルテットをはじめ数々のバンドへの参加、バークリー音楽大学への留学等を経て、日本を代表するトップミュージシャンとして、ジャズの枠に留まらない独自のスタイルで世界を舞台に活躍。2005年"愛知万博"では世界中から集まった子供達400人と、国境や文化を越えた歌とリズムの共演という長年の夢を実現させ、それらの活動は海外へ広がる。2011年アルバム『カム・トゥデイ』を発表し、音楽活動60周年を記念したコンサートは各地で好評を博す。2013年にはサンパウロでレコーディングした『オウトラ・ヴェス〜ふたたび』を発表。2015年4月、自身による初のビッグバンド・アルバム『アイム・ウィズ・ユー』を発表。また、国立音楽大学の招聘教授として次世代の育成にも力を注ぐ。現在も精力的に演奏活動を行う生涯現役プレイヤーのその姿は、世界中の老若男女に勇気と感動を与えている。