“奇跡の声”が残した音源が20年間眠っていた。この『ユー・アンド・アイ』に収められた10曲の多くは1993年2月に録音されたもので、その存在は長年噂されていたものの実際にその音源がスタジオの外で聴かれたことは過去一度も無かった。これらは、米ソニー・ミュージックのカタログ・セクションのスタッフが、94年のデビュー・アルバム『グレース』の発売20周年を機に何か出来ることは無いかと過去の音源を捜していたところ、偶然に発見されたものだという。その内容は、彼が敬愛した曲のカヴァーが8曲、自身のオリジナルが2曲(内1曲は彼の代表曲「グレース」の初録音音源)。記念すべき初スタジオ・セッションで選んだカヴァー曲は、ボブ・ディラン「女の如く(Just Like A Woman)」、スライ&ザ・ファミリー・ストーン「エヴリデイ・ピープル(Everyday People)」、ザ・スミス「心に茨を持つ少年(The Boy With The Thorn In His Side)」「アイ・ノウ・イッツ・オーヴァー(I Know It’s Over)」、レッド・ツェッペリン「夜間飛行(Night Flight)」などで、そのパフォーマンスは彼の純粋さや繊細さが最高に“神がかった”形で表現されているという。ここにあるカヴァー曲の一部はライヴ・ヴァージョンとして記録されているものも存在するが、スタジオ・ヴァージョンとしてはすべてが未発表であり、海賊盤等でもいっさい存在していない正真正銘の発掘音源とのことだ。ファンにとってはまさに“聖杯”とも言える貴重な音源が、20数年の時を経てついに日の目を見るのである。なお、このアルバムからのリード・トラック「エヴリデイ・ピープル」が、日本では11月14日より配信される。
●『You and I』
01 Just Like A Woman (Bob Dylan cover) 02 Everyday People (Sly & The Family Stone cover) 03 Don't Let The Sun Catch You Cryin' (First recorded by Louis Jordan) 04 Grace (original) 05 Calling You (Jevetta Steele cover) 06 Dream Of You And I (original) 07 The Boy With The Thorn In His Side (The Smiths cover) 08 Poor Boy Long Way From Home (traditional blues song, Bukka White cover) 09 Night Flight (Led Zeppelin cover) 10 I Know It's Over (The Smiths cover)