土星に還った男、
サン・ラ(Sun Ra)の足跡を追う音楽批評本『てなもんやSUN RA伝 音盤でたどる土星から来たジャズ偉人の歩み』(湯浅学・著)が Pヴァインから10月末発売予定。
『ミュージック・マガジン』に連載された「てなもんや三裸笠」(全46回)に、新たに判明したサン・ラーがサン・ラーになるまでの前史を加え、没後なおも続く発掘音源を精査した一冊。本文で言及した音盤および没後発表された作品を網羅した詳細なディスコグラフィ+ジャケット写真もあり。
●『てなもんやSUN RA伝 音盤でたどる土星から来たジャズ偉人の歩み』
湯浅学 (著)
※以下、メーカーインフォより
土星に還った男、サン・ラーの足跡を追う惑星間音楽批評!
1914 年アラバマ州バーミングハム。ハーマン・プール・ブラントとして生を受けた少年は長じてジャズを学び、ル・ソニール・ラー、略称「サン・ラー」を名乗ることになります。
フレッチャー・ヘンダーソン、デューク・エリントンに範をとり、ハード・バップからフリー・ジャズを俎上に乗せ、エキゾチックかつコズミックに味つけしたサン・ラーの音楽は1993 年5月30 日に没してからも、
いまにいたるまで彼の楽団であるアーケストラに受け継がれ(今年7月にも来日公演を行ったばかりです)、その独自性ゆえ欧米を中心にその評価は衰えるどころか、稀少性の高いオリジナルのレコード盤にマニアの垂涎は止まず、
未発表音源の発掘はひきもきらず、おりからのジャズ・リヴァイヴァルに後押しされるかのように若いリスナーを中心に注目は増すばかりです。
圧倒的なスウィングとアンサンブルと即興、そのオリジナリティはなにものにもかえがたく、知ったら最後、深みにはまらずにはいられません。
およそ21 年前、サン・ラーの手になる純粋な新作は望めなくなったにもかかわらず。いやむしろ、サン・ラーの膨大な音楽と思想はいまようやく全貌がつかめるようになったといえるのかもしれません。
サン・ラーが地球に降りたって100 年を数えるいまこそ!
本書はサン・ラー生誕100 年を記念する2014 年、満を持して刊行する音楽書です。
「蜃気楼を見たらサン・ラーを思う」との書き出して、『ミュージック・マガジン』2001 年1月号よりはじまった「てなもんや三裸笠」は
これまでに発表された数多くの音盤を手がかりにこの稀代の音楽家の足跡を辿り、その筆の運びから著者畢竟の名作の呼び声も高い連載でした。
足かけ4年、46 回に渡った連載終了時からおよそ10 年、本書は新たに判明したサン・ラーがサン・ラーになるまでの前史を加え、没後なおも続く発掘音源を精査した圧巻の惑星間音楽批評です!
・『ミュージック・マガジン』連載「てなもんや三裸笠」(全 46 回)を収録
・本文で言及した音盤および没後発表された作品を網羅した詳細なディスコグラフィ+ジャケット写真
・大幅な改訂および補遺を含む本邦初の日本人によるサン・ラー本
湯浅氏コメント
「誰もいないと思っていてもどこかでいつもサン・ラーは音楽を今も奏でている、ような気がしてなりません。
時に奇想天外、時に理論派、時に陽気なバンドマン、こんな人が本当にいたのか、と皆様に知っていただくことで、
人類の未来にほんの少しでも貢献できるよう微力ながら筆を尽くします。
よくわからないかもしれませんがおもしろい本になります。たぶん」(湯浅学)