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<日本SF展・SFの国>が7月から世田谷で開催

2014/06/24 14:14掲載(Last Update:2014/06/24 14:34)
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日本SF展・SFの国
日本SF展・SFの国
作家たちがSFという表現を信じ、私たちになにを、どのように伝えようとしたのか、時代背景や多彩な資料から読み解く<日本SF展・SFの国>が7月19日(土)から東京・世田谷文学館にて開催

<日本SF展・SFの国>
●2014年7月19日(土)〜9月28日(日)
[会場] 世田谷文学館2階展示室
[休館日] 月曜日(ただし7月21日、9月15日は開館し、7月22日、9月16日は休館)
[料金]
一般=800(640)円
高校・大学生、65歳以上=600(480)円
中学生以下無料

[概要]
小説、マンガ、アニメ、ゲーム etc.「日本SF」は現在、私たちの日常に溶け込み、当たり前のように楽しむことができます。一体どのようにして、このような時代を迎えることができたのでしょうか。

かつて、日本にSFを育てようと集った若き作家たちがいました。
星新一、小松左京、手塚治虫、筒井康隆、真鍋博ら、日本SFの第一世代と呼ばれる作家たちです。彼らは、日本ではまだ認知度が低かったSFをどう表現するか、読者に届けるために奮闘しました。やがて彼らの作品は、子どもや若者を中心に熱狂的に受け入れられ、今や世界を席巻する日本のアニメーションや特撮映像作品とともに大きな発展を遂げます。また、「日本SF」に親しんで育ったかつての読者たちが、現在では文化芸術や科学技術分野のほか、多方面で活躍しています。

作家たちは、未来を語るために「想像力」を磨き、それぞれの表現を追求しました。彼らの作品は、俯瞰的にものを見る大人の知力に支えられ、ひとりの人間としてあらゆる事象に立ち向かうためのヒントに溢れています。

世田谷文学館では本展覧会を「日本SF大学校」に見立て、みなさまの“来校”をお待ちしています。作家たちがSFという表現を信じ、私たちになにを、どのように伝えようとしたのか、時代背景や多彩な資料から読み解いていくとともに、「日本SF」とこれからの未来を、存分に語りあえる場所になればと願っています。

【展示構成】

☆日本SF概論
1 日本SFの父 ― 海野十三(うんの・じゅうざ)
科学者としての知識に裏付けされた作品を世に送り出し、後世の作家たちに大きな影響を与えた海野十三の生涯と作品の魅力を、世田谷文学館所蔵資料で紹介。

恩恵と迫害との二つの面を持つのが当今の科学だ。神と悪魔との反対面を兼ね備えて持つ科学に、われ等は取り憑かれているのだ。斯くのごとき科学力時代に、科学小説がなくていいであろうか、否! 科学小説は今日の時代に必然的に存在の理由を持っている。(海野十三『地球盗難』より)

2 「日本SF作家クラブ」創世記トピック
日本SF作家クラブ設立時期の作品資料、作品からの引用文、豊田有恒氏のコメントを展示紹介。

3 日本SFの歴史から
・「SFマガジン」一挙展示
 日本SFの歴史そのものといえる、現在も続く雑誌の歴史を紹介。
・「宇宙塵」「奇想天外」「SFアドベンチャー」「SF宝石」を紹介
・「創元SF文庫」一挙展示
1963年に創刊。文庫として読み継がれる海外作品、多くの読者に愛されてきた作品の数々を紹介。
・SF作品を彩る挿絵の魅力

4 古典SFとは
1945年以前に書かれた日本SFについて紹介。

5 豊田有恒の世界
日本SF第一世代として、小説・アニメーションほか多彩な才能を発揮し、牽引してきた作家の世界を紹介。

6 日本SF史アニメーション(仮題)
漫画家の、とり・みき氏による、本展オリジナルアニメーションを公開。


☆日本SF専門講義:講読1〜5
日本SF第一世代(星新一・小松左京・手塚治虫・筒井康隆・真鍋博)のコーナー。それぞれの作家の重要なキーワードから資料を紹介。

1 星新一「ショートショート1001話」
2 小松左京「SF魂」
3 手塚治虫「ストーリーマンガ」
4 真鍋博「未来創造図」
5 筒井康隆「創作の極意と掟」

☆日本SF専門講義:技術演習1〜2
1 特撮
円谷英二によってもたらされた特撮技術の発展と、日本SFの創造力を大きく育てた功績を紹介。

2 アニメーション
日本で最初の本格テレビアニメーションとして放送された「鉄腕アトム」(1963年)を紹介。

☆日本SF特殊講義1
大伴昌司の〈仕事〉
大伴昌司の、特に怪獣図解に代表される仕事が、いかに日本SFの魅力を倍増させたのかを検証する。

☆日本SF特殊講義2
大阪万博と〈未来〉
「人類の進歩と調和」をテーマに開催された1970年の万博には、小松左京、手塚治虫、真鍋博ら大勢のSF作家たちが関わりを持った。当時の記録から、万博が日本SFにもたらした影響を探る。

☆日本SF特殊講義3
日本SFと〈映画〉
日本SFは、映画という媒体によって、幅広い層に浸透した。『日本沈没』『復活の日』『時をかける少女』『ねらわれた学園』『HARMAGEDON 幻魔大戦』 etc. 映画と作品、双方の魅力をあらためて味わう。

☆日本SF特殊講義4
〈戦争〉と日本SF
1954年に公開された映画「ゴジラ」は、戦争と核兵器の問題を抱えた作品。日本SF第一世代の根底にある〈戦争〉とは。作品と向き合う視点のひとつとして検証する。

「戦争がなかったら、私はSF作家にならなかっただろう」(小松左京『小松左京自伝』)
☆日本SF〈演習〉
『20世紀少年』など、日本SFを受け継いだ現代の作品を紹介するコーナー。

詳細は以下のURLのページでご覧になれます。
http://www.setabun.or.jp/exhibition/next.html