今回新たに発掘されたのは、ベースにエディ・ゴメス、ドラムにエリオット・ジグムンドを迎えて、1975年6月20日にカナダのバンクーバーにあるオイル・キャン・ハリーズ(Oil Can Harry's)で行われたコンサートの未発表ライヴ音源。ラジオ司会者のゲイリー・バークレイのために録音され、彼の人気ジャズ番組『CHQM』で放送されました。このテープは半世紀近くもの間、忘れ去られていましたが最近になって発掘。Plangent Processes社によるオーディオの復修とPaul Blakemoreによる綿密なマスタリングにより、1975年当時と同じように新鮮なサウンドが実現しています。
この未発表ライヴ音源はボックスセットのほか、『On A Friday Evening』というタイトルで単独発売される予定。CD、アナログレコード2枚組、デジタルがあります。CDのみ日本盤があり、6月18日に日本先行発売されます。
ボックスセット『Everybody Still Digs Bill Evans』のトレーラー映像と、1975年6月20日の未発表ライヴ音源から「Up with the Lark Live」が聴けます
ボックスセット『Everybody Still Digs Bill Evans: A Career Retrospective (1956-1980)』は、リヴァーサイド、マイルストーン、ファンタジー、ヴァーヴ、ワーナー・ブラザーズ、エレクトラ/ミュージシャンのカタログを網羅し、トニー・ベネット、キャノンボール・アダレイ、ケニー・バレル、スタン・ゲッツ、ズート・シムズ、エディ・ゴメス、シェリー・マン、リー・コニッツなど錚々たるメンバーが参加したエヴァンスのリーダーおよびコ・リーダーとしての優れた名録音全61トラック収録。同じくニール・テッサーが、エヴァンスの人生とキャリアについて、様々な人物への最新のインタビューやアーカイブをもとに解説し、ボックスセットの楽曲についても深く考察してたライナーノーツを掲載、貴重な写真なども入った全48ページのブックレットが付いている。
楽曲の大半は、40枚以上のアルバムをリリースしたエヴァンスのトリオから選曲。ディスク1には、リヴァーサイドでのセッションを中心に、フィリー・ジョー・ジョーンズ、テディ・コティック、ポール・チェンバース、サム・ジョーンズとの初期の活動から、ドラマーのポール・モチアン、1961年に悲劇的な死を遂げたベーシストのスコット・ラファロとのグループ結成、そしてラファロ以降のモティアン、チャック・イスラエル、ラリー・バンカーとのトリオまでを収録。ディスク2では、60年代半ば以降のエヴァンスのトリオ録音を中心に、エディ・ゴメス、マーティ・モレル、エリオット・ジグムンド、ゲイリー・ピーコック、ジャック・デジョネット、ジョー・ラバーベラ、マーク・ジョンソンなどのサイドマンとのコラボレーションを収録。また、ソロ・レコーディングも数多く行い、グラミー賞7部門のうち2部門(1963年『Conversations with Myself』、1968年『Alone』)をソロの作品で受賞しているエヴァンスにスポットを当てたディスク3、そして伝説のヴォーカリスト、トニー・ベネットや叙情的なギタリスト、ジム・ホールとの有名なデュエットや、ピアニストでありインタビュアーでもあるマリアン・マクパートランドとの貴重な共演、さらにキャノンボール・アダレイ、スタン・ゲッツ、フレディ・ハバード、トゥーツ・シールマンス、ズート・シムズ、リー・コニッツなどの著名なミュージシャンとのカルテットやクインテットでの演奏も収録され、トリオ以外のコラボレーションに焦点を当てているディスク4、そしてディスク5には今回発掘された『オン・フライデイ・イヴニング』を丸々収録した内容となっている。
Disc One: Trialogues, Vol. 1 1. Five 2. Woody'N You [take 2] 3. Young And Foolish 4. Autumn Leaves 5. How Deep Is The Ocean 6. Sweet And Lovely 7. Blue In Green 8. How My Heart Sings 9. Re: Person I Knew 10. My Foolish Heart (live) 11. Waltz For Debby (live) 12. Gloria's Step (live) 13. My Man's Gone Now (live) 14. Swedish Pastry (live)
Disc Two: Trialogues, Vol. 2 1. Israel 2. The Peacocks 3. I Believe In You 4. Santa Claus Is Coming To Town 5. I Will Say Goodbye 6. Turn Out The Stars (live) 7. Walkin' Up (live) 8. Very Early (live) 9. Minha (All Mine) (live) 10. My Romance (live) 11. Days Of Wine And Roses (live) 12. The Touch Of Your Lips (live) 13. Someday My Prince Will Come (live)
Disc Three: Monologues 1. Peace Piece 2. Danny Boy 3. Make Someone Happy 4. A Time For Love 5. Waltz For Debby 6. The Bad And The Beautiful 7. N.Y.C.'s No Lark 8. Emily 9. Remembering The Rain 10. I Loves You Porgy (live) 11. Letter To Evan (live) 12. Nardis (live)
Disc Four: Dialogues & Confluences 1. My Funny Valentine 2. A Face Without A Name 3. The Touch Of Your Lips (Vocal Version) 4. I Love You 5. Up With The Lark (live) 6. Funkallero (live) 7. Who Cares? 8. Body And Soul 9. You And The Night And The Music 10. Time Remembered 11. Night And Day 12. A Child Is Born 13. Peri's Scope
Disc Five: Epilogue 1. Sareen Jurer (live) 2. Sugar Plum (live) 3. The Two Lonely People (live) 4. T. T. T. (Twelve Tone Tune) (live) 5. Quiet Now (live) 6. Up With The Lark (live) 7. How Deep Is The Ocean (live) 8. Blue Serge (live) 9. Nardis (live)
■『On A Friday Evening』
1. Sareen Jurer (live) 2. Sugar Plum (live) 3. The Two Lonely People (live) 4. T. T. T. (Twelve Tone Tune) (live) 5. Quiet Now (live) 6. Up With The Lark (live) 7. How Deep Is The Ocean (live) 8. Blue Serge (live) 9. Nardis (live)