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英国では2021年 アナログ・レコードの売り上げが1987年以来初めてCDを上回る見込み

2021/03/24 09:51掲載
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英国レコード産業協会(BPI)によると、英国では2021年、アナログ・レコードの売り上げが1987年以来初めてCDを上回る見込み。パンデミックによる音楽購入傾向がアナログ盤の復活を加速させています。

2020年のアナログ・レコード販売による収入は30%増の8650万ポンド(約129億円)で、1989年以来の最高額を記録しました。また、フリートウッド・マック『Rumours』などの名盤や、ハリー・スタイルズやカイリー・ミノーグの新作を筆頭に、レコードの販売枚数も480万枚と30年ぶりの高水準を記録しています。

CDはストリーミング革命に直面して売上は下がり続け、2020年の収入は18.5%減の1億1500万ポンド(約171億円)にとどまりました。CDの販売枚数はほぼ3分の1に減少し、2020年は1,600万枚になったと言われています。2010年の時点ではCDは5億6,300万ポンドの収入がありましたが、一方でレコードからの収入はわずか350万ポンドでした。

BPIによると、音楽ファンは、ストリーミングで聴く代わりに、カヴァーアートやライナーノーツで高く評価されているレコードを選ぶようになっているという。

BPIの最高責任者であるジェフ・テイラーは「小売店の閉店にもかかわらず、レコードが並外れたパフォーマンスを示したことは、音楽ストリーミングを長期的に補完する役割を果たしていることを裏付けている。2021年は、1987年以来、30年以上ぶりにLPの売上がCDの売上を上回る年になるでしょう。ストリーミングの即時性と利便性に加えて、ファンは有形の作品を所有することで愛するアーティストに近づきたいと思っています」と述べています。

伝統的な音楽フォーマットの戦いが繰り広げられる一方で、消費者にとってはストリーミングがトップであり続け、レコード会社の財源を満たしています。BPIは1月、2020年に音楽ストリーミングされた量が、2019年の1,140億オーディオストリームから22%増加し、1,390億オーディオストリームになったことを明らかにしました。

英国のレコードレーベルは、Spotify、Amazon Music、Apple Musicからの収入の割合が増えたことにより、2020年はストリーミング収入が15.5%増加して7億3600万ポンドになりました。

広告付きストリーミング、YouTubeで再生されるミュージックビデオからのロイヤリティ、減少しつつある音楽ダウンロード市場を含む、すべてのデジタルチャネルからの収入は、2020年に7億8,200万ポンドに達し、英国におけるフィジカル市場からの収入の約4倍の規模となっています。