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2020年 コロナ禍でも世界のレコード音楽業界の年間売上は7%増 DIYアーティストが市場シェアを伸ばす

2021/03/18 13:19掲載(Last Update:2021/03/19 10:07)
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新型コロナウイルスに振り回された2020年ですが、世界のレコード音楽業界の年間売上は231億ドル(約2兆5151億2800万円)で、2019年に比べて7%増、15億ドルの金額増となるとMidia Research社が報告しています。

Midia Research社は、メジャー、インディーズ、DIYアーティストを含む世界のレコード音楽業界が、2020年中にどれくらいの収入を得たかの試算を発表しています。

Midiaは「世界のレコード音楽業界は、パンデミックの初期に落ち込みを経験したものの、その後は業界の収入が回復しました。この回復により、2020年第4四半期の世界のレコード音楽業界の四半期収入は、前年同期比で15%増となり、この勢いが続けば、2021年は好調に推移する可能性があることを示唆している」と述べています。

世界の年間音楽ストリーミング収入は、金額ベースでは2019年よりも2020年の方が急速に成長しています。Midiaの数字によると、2020年の音楽ストリーミング収入の合計は23億ドル(+19.6%)増の142億ドル。前年の年間音楽ストリーミング収入の成長率は22億ドルでした。

ユニバーサルとソニーのレコード音楽事業はともに2020年に成長しており、ワーナーは2019年に比べて横ばいでした。Midiaの数字によると、3つの主要な音楽会社を合わせると、2019年の66.5%から2020年には65.5%に低下し、12ヶ月間で世界市場のシェアを少し失ったことになります。

一方、TuneCore、DistroKid、SoundCloudなどを介して音楽をアップロードするDIYアーティストは、昨年、世界で12億ドルを生み出したとMidiaは報告しています。このアーティスト・ダイレクト部門は、同社の数字によると、2020年には年間収入が34.1%増加し、初めて10億ドルの大台を突破しました。アーティスト・ダイレクトは、全体の市場シェアを1ポイント以上伸ばし、5.1%になったとMidiaは報告しています。

MidiaのMDマーク・マリガンは「レコーディング・ビジネスは、ストリーミングの成長により、好調な業績を達成することができました。ストリーミングは、レコード音楽事業が成長を取り戻したときのエンジンでしたが、パンデミックによるパフォーマンスなどの収入の落ち込みは、世界の音楽ビジネスがいかにストリーミングに過度に依存しているかを浮き彫りにしました。現在、Native Instruments社のようなクリエイターツール企業に多くのプライベートエクイティ資金が注ぎ込まれており、2021年にはこの分野がさらに加熱することが予想されます。レコード音楽ビジネスは変化しており、しかも急速に変化しています」と述べています。