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サイモン・フィリップス ミック・ジャガー88年来日公演について自身の見解を語る ジェフ・ベック不参加の理由も

2021/01/25 01:05掲載(Last Update:2021/01/25 10:57)
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Simon Phillips
Simon Phillips
ミック・ジャガー(Mick Jagger)の1987年ソロ・アルバム『Primitive Cool』に参加したドラマーのサイモン・フィリップス(Simon Phillips)は、アルバム・リリース後の88年に日本とオーストラリアで行ったツアーについて、自身の見解を米ローリングストーン誌のインタビューの中で述べています。

フィリップスは、商業的な反応は予想よりも厳しかった同アルバムのツアーが日本とオーストラリアのみで行われたのには、別の理由があったのではないかと考えていると述べています。

「日本でライヴを始めた時、セットの半分はストーンズの曲だった。“なぜそんなことをするのか?これは君のソロ・プロジェクトであって、何か違うことをするチャンスなんだ”と思ったんだ。... もちろん、これがストーンズを日本に上陸させるための計画の一部でなければの話ですが。問題は、ストーンズは薬物の前科があるために日本に入国できないということだった。... Udo ArtistsのMr. Udoは、ミックの入国を許可するよう政府に働きかけなければならなかった。もしかしたらこれはストーンズを入国させるための策略だったのかもしれない」

「その2年後にはまさにそうなっていた(1990年にストーンズ初来日)」とフィリップスは述べ、「もちろん、それは(ジャガーの)特権であり、完全に彼次第だ。しかし、純粋に音楽的、クリエイティブな観点から見ると、僕はそれが奇妙だと思った。“なぜストーンズの曲ばかりを演奏しているのか? これは君のソロ・キャリアだろう”と」とも話しています。

同アルバムに参加しているジェフ・ベック(Jeff Beck)は、方向性に不満を持つようになるまでは、もともとツアーバンドの一員でした。フィリップスは「僕たちはジェフ、(ベーシスト)ダグ・ウィンビッシュ、僕とミックでバンドを組もうとしていたんだ。でもミックはそれを望んでいなかった。彼はダンスの女の子とシンガーを望んでいた。ちょっと残念なことだった。そしてジェフはそれを望んでいなかったから、別れたんだ」と話しています。最終的にこの日本公演では、ジョー・サトリアーニがギターを担当しています。

フィリップスは「1987年のかなり早い時期に、ジェフとこのことについて話し合った」という。「“なぜこんなことをするのか? バンドは4人組としては最高のサウンドを持っている。キーボード・プレイヤーを加えて、新しい曲を全部演奏しよう”とね。その方が面白かっただろうし、歴史的にももっと大きな影響を与えることができただろう」と語っています。

「僕はそのバンドのリハーサルテープを以前持っていたのですが、残念ながら火事で消えてしまいました」。フィリップスの自宅は2017年のカリフォルニアの山火事で全焼しました。「それは素晴らしい音だった」と話しています