『釣りキチ三平』の生みの親、漫画家の矢口高雄。5年にわたるインタビューで振り返る評伝『釣りキチ三平の夢 矢口高雄外伝』が12月19日(土)発売。出版元は世界文化社。本書では少年時代の手塚マンガとの出会い、安定した銀行員生活を捨ててのマンガ家転身、そして『釣りキチ三平』の大ヒット、東日本大震災、旧作「マタギ」の約40年ぶりの再評価……など矢口高雄の人生を振り返ります。
以下インフォメーションより
2020年11月20日、急逝した『釣りキチ三平』の生みの親、矢口高雄氏。
今回、元新聞記者の藤澤志穂子さんが、5年に渡る矢口氏ご本人と関係者への多くのインタビューを通じて見えてきた、マンガ家人生から、マンガの、そして日本の過去・現在・未来を一冊にまとめました。
矢口氏は筆を折り、病を得ながらも、故郷の「横手市増田まんが美術館」を通じて、81歳で亡くなるまで、マンガと故郷に対して深い愛情を注ぎました。
本書では少年時代の手塚マンガとの出会い、安定した銀行員生活を捨ててのマンガ家転身、そして『釣りキチ三平』の大ヒット、東日本大震災、旧作「マタギ」の約40年ぶりの再評価……など矢口氏の人生を振り返ります。
<推薦帯のコメント>
「『マタギ』は30年位したら『マンガで学ぶ文化遺産』みたいな感じで読まれる」里中美智子氏
「故郷に帰ると『矢口高雄先生くらいにならないと』とよく言われた」きくち正太氏
「自然の風景を描く際には『釣りキチ三平』を傍らに置いて参考にしてきた」東村アキコ氏
<本文より抜粋>
「ガマンだガマン ここ一番が踏ん張りどころ 暗い闇夜も必ず明ける」
(本文より抜粋)戦後75年、東京五輪が開かれる節目の年だったはずの2020年は、図らずも新型コロナウイルスの感染拡大で様相が一変した。『釣りキチ三平』で知られるマンガ家、矢口高雄は、故郷である秋田県横手市の依頼で、広報誌「市報よこて」の表紙用に、このメッセージを添えたイラストを描いた。5月15日号で掲載され話題を呼ぶ。2020年にプロデビュー50年を迎えた矢口は、ほぼ同じ年月を故郷から離れて久しい。『釣りキチ三平』の連載が「週刊少年マガジン」(講談社)で始まったのは1973年で、すでに45年以上が経過している。それでも「三平くん」は、子供から大人まで、誰もが知っているキャラクターだ。このイラストは矢口のツイッターでも紹介され、約2万7000人ものフォロワーをはじめ、多くの人の心を勇気づけた。
■ 『釣りキチ三平の夢 矢口高雄外伝』
著者:藤澤志穂子
発売日:2020年12月19日(土)
定価:1,600円+税
発行:株式会社世界⽂化社
<目次>
【第1章】80歳のツイッター
【第2章】断捨離と復活
【第3章】「三平」の原風景
【第4章】地方の時代
【第5章】「エッセイ漫画」の境地〜秋田の足跡
【第6章】マンガ家たちとの邂逅
【第7章】「名伯楽たち」との縁
【第8章】描きたかった郷愁〜作品の魅力
【第9章】横手市増田まんが美術館
<著者プロフィール>
藤澤志穂子
元全国紙経済記者。学習院大学法学部政治学科卒、早稲田大学大学院文学研究科演劇専攻中退。米コロンビア大学ビジネススクール客員研究員、放送大学非常勤講師(メディア論)、秋田テレビ(フジテレビ系)コメンテーターなどを歴任。著書に「出世と肩書」(新潮新書、2017)。東京都出身。