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新型コロナのロックダウン中 人々は現実から逃れるために懐かしい音楽を好んで聴いている 最新研究結果

2020/11/23 18:56掲載
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via Flickr
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新型コロナウイルス対策のロックダウン期間中、人々は懐かしい音楽を好んで聴いていることが最近の研究で明らかにされています。

ベルギーのブリュッセルにあるルーヴェン大学のTimothy Yu-Cheong Yeung博士は、スウェーデン、イギリス、スペイン、フランス、ベルギー、イタリアのヨーロッパ6か国にてSpotifyで再生された約17兆曲のデータを分析。多くの人々が2020年の苦境から逃れるためにノスタルジックな音楽に飛び込み、若い頃の音楽に目を向けているという。各国でロックダウン政策が導入されてから約60日後にノスタルジア効果がピークを迎えたと報告しています。

英国の新聞ガーディアンに掲載されたYeung博士のインタビューによると、この研究は友人とのジョークから始まったという。

「私はロックダウン期間中ずっとベルギーにいました。退屈で、唯一の慰めは、レディオヘッドやパルプ、ブラーなど、90年代のお気に入りの曲を再び聴くことだった。YouTubeでも同じようなコメントが多く見られ、ノスタルジックな気分になったと言っていました。私は友人と話して、ここから論文が書けるんじゃないかと冗談を言いました」

しかし、研究を進めると、Yeung博士のお気に入りのブリットポップはほとんどなく、好調だった曲のほとんどは1980年代かそれ以前のものでした。

TOTOの「Africa」はSpotifyのUKデイリートップ200に入ったのは、2月と3月の両方でわずか12回でしたが、5月までには28回に上昇しています。またエレクトリック・ライト・オーケストラ「Mr Blue Sky」は1月に1回だけ同チャートに入っただけでしたが、5月に31回もチャートインしており、フリートウッド・マックの「Go Your Own Way」も同様の成功を収めています。さらにビートルズの「Here Comes the Sun」はロックダウン前の数ヶ月間、トップ200に入ったことがありませんでしたが、5月には19回もランクインし、1日に63,000回も再生されています。

ノスタルジアのトレンドの恩恵を受けた他の古い曲には、オアシスの「Wonderwall」「Don’t Look Back」、クイーンの「Don’t Stop Me」、エルトン・ジョン「Tiny Dancer」、ブライアン・アダムス「Summer of ’69 」などもあります。

Yeung博士は、ノスタルジックな楽曲を「3年かそれ以上前のもの」と定義しています。

Yeung博士によると、これまでの研究で、危機が消費パターンに影響を与える可能性があることが確認されており、不況時には女性がより多くの美容製品を購入する傾向があることが示されているという(「口紅効果」として知られているとのこと)。

Yeung博士は論文の中で、「封鎖には、個人の自由を制限し、雇用や通常の社会的交流に影響を与える例外的な命令が多く含まれていました。これらの変化は、たとえウイルスが彼らや彼らの近親者の健康に害を与えなかったとしても、不快な感情を引き起こし、人々は現実から逃れるためにノスタルジックな音楽に飛び込んだのかもしれません。このような行動の変化は徐々にでしたが、ノスタルジアへの需要は封鎖が続いているので、フラストレーションとともに高まりました」と説明しています。

しかし、なぜ古い曲が流行っているのか? Yeung博士は独自の理論を持っています。

「ネガティブな感情は様々だが、ある面では似ています。それはネガティブな感情に対抗しようとすることです。回復するための一つの方法、つまりポジティブな効用を生み出すための方法は、古き良き時代を思い出すノスタルジアを求めることです」と述べています